中国武漢で発生した新型ウイルス肺炎は感染者が2000人を超えたと発表されたが、おそらくもう5000人を超えている。
中国での感染者は1月26日に1,975人、翌27日には2744人に増え死者数も81人になった。
中国政府は感染者数が5千人に達する恐れがあるとして、武漢市内に1000床規模の医療施設を建設している。
また中国は1万人規模の感染者も視野に入れ、武漢と周辺の都市の交通を遮断し中国からの海外旅行も禁止した。
イギリスのランカスター大学とグラスゴー大学、そしてアメリカのフロリダ大学の研究者からなる研究チームは論文を発表した。
研究チームは2月4日までに武漢だけで、感染者数が25万人以上に達すると計算している。
感染者数の範囲は164,602人〜351,396人とあるが、さらに衝撃的な内容を含んでいる。
武漢で感染していると診断された2千人弱は実際の感染者のわずか5.1%に過ぎない。
この論文が正しいと、27日現在武漢では2千人弱の感染者がいるので、気付いていない感染者は4万人居る計算になる。
このため自覚がない潜在感染者が自由に移動し他社と接触し、感染を拡大させていると指摘している。
同研究チームは、1人の感染者が他の人に感染させる人数を3.6から4.0人と推定した。
WHO(世界保健機関)は新型ウイルスの感染力を、1人の感染者が1.4〜2.5人に広めると推測していた。
感染は既に広範囲に拡大
世界保健機関(WHO)は27日、新型コロナウイルスのリスクを過小評価していたとして脅威度を「高い」に修正した。
23、24、25日の日報では世界的なリスクを「中程度」と表記していた。
WHOは1月23日、新型ウイルスに対する緊急事態宣言を見送っているが、今のところ宣言はされていない。
先ほどの米英大学チームによると、中国の他の大都市でも爆発的大流行(アウトブレイク)が起きる可能性がある。
中国は国内や国外への移動制限を実施したが、研究チームによると「旅行を99%制限したとても2月4日に24.9%しか減少しない」としている。
自覚のない感染者が発症者の20倍存在する想定だと、既に広範囲に感染が拡大してしまっている。
中国政府は26日までに湖北省他15都市が全面封鎖または一部封鎖され、武漢市は完全に隔離された。
武漢と市街を結ぶ道路は一般道まで土を盛ったり、ダンプカーを置いて物理的に通れなくしている。
米英研究チームの試算が正しければ、2月前半には武漢の住民数十万人が潜在感染し、発症者も1万人を超える。
この仮定に基づくと中国全土では潜在感染者は100万人規模になり、発症者は10万人に達するかも知れない。
今のところ中国以外で確認された57人はいずれも中国で感染した後で外国に移動していた。
外国で感染した例はないので、最悪の予想ほど感染力は強くない可能性もあります。
「指定感染症」で新型ウイルス治療費は無料
世界各国もようやく新型ウイルスへの対応を本格化させ、日米仏独は直行便をチャーターし自国民を武漢から脱出させる計画を建てている。
米国務省は27日、中国への渡航警戒レベルをレベル2からレベル3の「渡航の再検討」に引き上げた。
米国では今まで5人の感染者が確認され、現在110人を監視下に置き、国境での渡航者スクリーニング検査を拡充する検討をしている。
日本の安倍首相は1月26日、武漢の日本人希望者全員をチャーター機で帰国させる方針を示した。
武漢には騒動前700人ほどの日本人が居たが、現在何人残っているのか正確には分かっていないようです。
首相はまた27日国会で新型ウイルスを明日(28日)「指定感染症」に指定する方針を示し、28日に指定されました。
「指定感染症」に指定されると強制措置や強制入院、自宅待機や就業や外出の禁止などを命令できる。
さらに「検疫感染症」に指定されると感染が疑われる入国者に対して、診察や検査などの措置がとれるようになる。
現在は検査は自主的なもので、外国人が診察を拒否したら税関を素通りしてしまう。
「指定感染症」は指定医療機関の治療を受けると、自治体から医療助成金が給付される。
実際には新型ウイルスの検査や治療費が無料になると思われ、外国人にも適用される。
もし有料だと治療費の支払いを嫌って診察を受けず、その結果ウイルス蔓延を招く可能性があるのでやむを得ない。