昔(今も?)基本ゼロ円をCMで連呼する犬の携帯電話会社が大ヒットし、無料やゼロ円のサービスが増えた。
だがそれらの多くが実際に申し込んでみたら個別のサービスは有料で、しかも割高という法則性があった。
ゼロ円詐欺が沈静化したら今度は定額制サービスがブームになり、何でも定額のサブスクが当たり前になった。
電子コミックとか音楽やゲームなどコンテンツ販売のほとんどは月額定額になり格安になった。
定額で格安サービスを提供していた企業の中には、契約ユーザーが増えたら値上げしたり無料サービスを有料化している。
アマゾンは日本では3,900円だが、アメリカでは119ドル(約1万3000円)もするので、月額1000円になります。
アメリカの国土は広いので送料無料にするにはこのくらい必要らしいのだが、会員が増えたら値上げしたパターンです。
freeeという日本の会計ソフトは2019年12月に、月額3980円から3万9800円(税抜)に値上げし大不評を買いました。
これは正確には月額3980円の料金は据え置きなのだが、今までと同じサービスを利用するには3万9800円になる。
ちなみに自分は弥生の青色申告オンラインを使っていますが、初年度は無料で2年目から年8000円(税抜)でした。
だからfreeeの3980円はまだ安いし、3万9800円のは電話やメールでのフルサポートプランのようです。
問題は今まで3980円でできていた事が、ある日から3万9800円払わないとできなくなった点です。
こうしたサービスを利用する人や事業者は、一度使ったものを2度と変更したくないという心理バイアスがあります。
弥生なりfreeeを導入するのにかなりの苦労をした筈なので、あんな苦労はもうしたくないので同じサービスを継続します。
結局freeeは10倍値上げで轟々たる非難を浴びたにも拘わらず、解約者は少なく株価は上昇しました。
定額制サービスが殿様商売になる理由
音楽配信にしろ会計ソフトにしろ、最初は無料や1000円のような超低価格で始めるが、これで儲かる筈がありません。
2年目から有料にしたり値上げしたり、勝手にプラン変更したり何らかの値上げをするのを織り込んだ超低価格です。
動画サービスのNetflixはアメリカで約11ドルから13ドルに値上げし、一時的に会員が減少したが値上げで最高益を挙げた。
そしてしばらくすると会員数はまた増え始めて、値上げと相まって最高業績を更新しています。
このように定額制、サブスクは値上げする前提の低料金なのを知る必要があり、ずっと料金据え置きはありえない。
会員数が増えたら値上げに踏み切るが、もし会員数が増えなかったらずっと赤字なのでサービス終了する。
魅力的な低料金の充実サービスがすぐ終了するのはやむを得ない事で、企業は赤字だったから低料金でした。
サブスク企業は一度会員を獲得すると、その上に胡坐をかいて殿様商売になる傾向がある。
良い例がスマホゲーム企業で、既存のゲーム運営をするだけで年間数百億円が入ってくるので何の努力もしない。
3大キャリアの通信業者もそうで、一度契約すると「縛り」や「面倒くさい」など心理的抵抗で解約しずらい。
すると3大キャリアは実際のコストの2倍や3倍の料金を取り、3社横並びでユーザーから搾取していました。
定額制サービスはこのように一度定着してしまうと競争がなくなり、急速に腐敗してユーザーから搾取し始める。
値上げしても「その分サービスを向上しました」と言えば9割のユーザーは言われた通り金を払い続けるので、業者は笑いが止まらない。