EUの機関車からお荷物に転落
2019年のドイツの経済成長率は0.6%に落ち込み、EUのけん引役だったのがEUのお荷物になった。
特に悪いのが銀行と自動車産業で、ドイツ最大のドイツ銀行など主要金融機関が赤字で破綻も噂されている。
こうなった理由は意外にもドイツの「健全財政」で、メルケル政権は政府の負債を金融機関に押し付けていました。
2015年にVWなど排ガス総統が起きたが、メルケルは一方的に10兆円融資を決め、国内金融機関に押し付けた。
日本では東電を国が救済したことがあるが、国が勝手に三菱や三井銀行に「10兆円融資しろ」と押し付けたのに等しい。
この調子でドイツ政府は色々な借金を銀行に押し付けたので、ドイツ政府は健全らしいがドイツの銀行はすべて破産寸前です。
ドイツが主張する健全財政も非常に怪しいもので、国には必ず資産と同額の負債が存在します。
例えばドイツ全体の資産を100としたら、ドイツ国内には必ず合計100の負債(借金)が存在します。
その借金が家庭にあったら家計債務、企業にあったら企業債務、政府にあったら政府債務と呼び方が変わります。
日本は政府債務がGDPの2倍あると言って財務省が大喜びしているが、負債が家庭や企業や銀行にあっても、それはそれで問題になる。
日本より政府債務が少ない国を見たら、必ず政府以外のどこかに借金を隠している。
ドイツの場合は銀行に借金が溜まっていて、自動車産業もこれから落ち込むとされています。
EV化でドイツメーカーの居場所がなくなる
ドイツ自動車産業はリーマンショック以降の金融バブルで高級車が売れまくり、まさにバブル経済を甘受しました。
1990年代には400万台を超えると巨大企業だったのが、現在は1000万台が最低ラインと言われている。
特に中国の伸びはすさまじいもので、ほぼゼロから2887万台まで販売台数を増やしました。
中国に最も依存しているのがドイツのVWグループで、生産台数の3割以上を中国が占めていました。
その中国は18年、19年と自動車販売がマイナス成長で、2020年もウイルス騒動でマイナスが確実視されています。
世界経済も好調だった10年間が終わろうとしており、再びリーマンショックのような調整期に入る。
VWは小型車を得意としていたが高級車バブルに乗って大型化し、現在はコンパクトカーを生産していない。
不況になれば小型で安価な車が売れ高級車は減少するので、不況のたびに高級車メーカーが倒産します。
次に破綻するのは米ビッグ3か、ドイツのビッグ3であるVW、メルセデス、BMWかも知れません。
ドイツ自動車産業はバブル期に良い思いをし過ぎたため、世界一高給で世界一労働時間が短い。
工場には年収700万円以上で週40時間しか働かない労働者がゴロゴロしており、しかも法律で労働者を解雇できない。
自動車業界は激変期を迎えており、車からエンジンが無くなろうとしている。
エンジン工場で今まで働いていた大量の労働者が不要になり、替わりのモーターやバッテリーはアジアから輸入に切り替わる。
ドイツビッグ3は全車種EV化の目標を掲げたが、今までにヒット作は一つも出ていない。
高級EVとしてはテスラの方が人気があり、低価格EVは日本や中国が得意としている。
ドイツの高級車メーカーの居場所は今後10年ほどでなくなるかも知れません。