限界集落に住むべきではない
移住先の人気ランキングでは毎回長野県が1位で2位以下も富山、新潟、北海道などが続きます。
住んでみたい街というアンケートでは高級住宅地が上位だったりするが、両極端の傾向です。
おそらく高級住宅地はもしお金があったら住んでみたい街で、現実の移住先ではないでしょう。
他には郊外のベッドタウンとか、市街地よりも自然が豊かなチョイ田舎な場所が選ばれる傾向がある。
日本人の9割は都市部に住んでいるので、多くの人は混雑した場所で狭い家や部屋に住んでいる。
憧れの対象になるのは一戸建ての広い家で、自然環境に恵まれた郊外や田舎になるのでしょう。
だが郊外のチョイ田舎は良いとしても長野や富山や北海道の田舎に移住するのは現実的でしょうか?
政府の統計によると2050年には日本の町や村のほとんどは人口が減少し自治体消滅するそうです。
日本創生会議によると西暦2040年までに896の自治体が消滅し、村や「字」や郷がつくような場所は人口ゼロになります。
人口が少なくなると住みたくても住み続けることができなくなり、移住者は絶対に現れません。
電気や水道やごみ収集、道路整備や災害防止など生活に必要な自治体サービスが行われなくなるからです。
山から水を引いてきて電気はなくて良いという人以外は、日本のほとんどの村で生活不可能になります。
40年後も存在する街
そこまで行かなくても例えば田舎にはプロパンガスしかなく料金は都市ガスの2倍、水道料金やガス料金も都会の2倍です。
大きな病院には車で1時間かかり、コンビニやスーパーも車で30分はかかるでしょう。
車を運転できるうちは良いが、年を取るといずれ運転が不自由になる。
憧れで田舎に移住しても先行きの展望がないと、どんどん不自由になり後悔する事になります。
移住した先で残りの人生を過ごし、子供も住むかも知れないので、移住先の40年後まで予想しなくてはならない。
その町や地域が将来栄えるかどうかは自然な地形で決まり、例えば東京は周囲の地方都市の扇の要のような要衝に位置します。
だから家康は江戸に拠点を構え、秀吉は大阪に大阪城をつくり、東京と大阪は今も栄えています。
都市は発展するべき場所につくられたから発展したので、信長のように山の中に「ニュータウン」を作ってもだめです。
発展する場所には必ず川が流れて平野があり、いくつかの川が合流する地点にある筈です。
道は川沿いにあり、複数の川が合流する場所は四方八方の道が合流する地点になっています。
地方の主要都市は必ずこういう場所にある筈で、そうした町は50年後も栄えているでしょう。
地形が悪い場所を無理やり開発したとしても、最初は栄えるが2世代ほどでゴーストタウンになります。
移住先は憧れや夢よりも、地図を見て「発展するべくして発展した」街を選んだ方が良いです。