突如として巻き起こったペイペイブームによって無数の決済サービスがスタートしてから1年以上が経った。
現在QR決済首位はソフトバンクのPayPay、離されて楽天ペイとラインペイが続いている。
利用率アンケートではPayPayは約37%、楽天ペイとラインペイは約18%、この数字は電子マネーと比べても多い。
同調査で電子マネーのワオンが約34%、ナナコ約32%、スイカ約30%だったのでPayPayのほうが多かった。
だが圧倒的首位に立っているのはクレジットカードで利用率は約84%だった。
決済金額ではもっと大差がつき2019年の店頭支払い120兆円のうちクレカは約58兆円で約30%を占めた。
電子マネー合計の決済額は7.5兆円で全体の約4%、QR決済は1兆円で0.5%に過ぎなかった。
これを見るとQR決済は利用頻度が多いものの少額の買い物に利用されていて、電子マネーより一度の買い物金額が少ないようです。
JCBによる決済手段の信頼度調査によると、最も信頼できるのはクレジットカードで約58%が最も信頼していると答えた。
プリペイドカードが14%、QRコード決済が信頼できると答えた人は約8%でこの辺に利用金額の少なさの原因がありそうです。
次にQR決済を利用した動機ではポイントやキャッシュバックをきっかけに始めた人が多く、キャンペーンが終わっても多くの人が継続して利用していた。
キャンペーンの効果は一時的だが、キャンペーンをきっかけに使った人の継続率は8割を超えていました。
QR決済の手数料はクレカ・電子マネーと同じくらい高い
QR決済で頻繁にポイント付与や還元キャンペーンができるのは、金額が少ないからとも言える。
もしクレジットカードのように高額な買い物が多かったら、そう頻繁に派手なキャンペーンができないし法律にも抵触する。
ところで業者側にとってクレジットも電子マネーもQR決済も、得られる利益率はあまり違わない。
どれも利用された店舗から1%から5%の手数料を取っていて、QR決済も3%前後の手数料を取ります。
手数料無料を謳うQR決済は最初だけ無料か一定期間無料だが、その後手数料が発生したり有料化します。
スマホや携帯電話で一時期「無料」が流行ったが、本当に無料のスマホがあったか考えれば想像がつくと思います。
今は客を囲い込む時期なのでQR決済の手数料は安いが、結局電子マネーと同じくらいになりクレジットカードとも同じくらいになる。
中国でQR決済が主流になった理由は、国民のほとんどがクレジットカードを持っていないからです。
VISAやマスターのような米企業は審査が厳格なので9割以上の中国人は審査落ちし、QR決済しか使えません。
QR決済は決済額が少額で利益率はクレカや電子マネーと同じという事は参入業者の将来が明るくないのを示している。
クレカや電子マネーで「ポイント30%還元」をしないのは、やったら赤字になるからで儲からないビジネスなのです。
現在のQR決済はすべて赤字の筈で、派手なキャンペーンでかかった経費を取り戻すには長期間かかるでしょう。
やがて業績からQR決済が儲かっていないのが明らかになれば、キャッシュバックやポイント還元は無くなり下火になる可能性があります。