原油価格だけは政府が統制せず大波乱になっている
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あらゆる市場が固定相場になった
世界は新型コロナウイルスによって経済危機だというのに、あらゆる相場価格は安定を保っている。
米ダウ平均は2万4000、日経は2万前後、ドル円レートは107円前後を維持しています。
自動車メーカーの販売台数が半減、航空会社は9割減などを見れば、もっと大暴落している筈でした。
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それを食い止めているのは各国政府と中央銀行による買い支えや裏介入、市場操作といったものです。
日本では日銀がETF購入を通じて株価を支え、年金や郵貯資金なども投入されている筈です。
同じことは為替市場でも行われ、ドル円が乱高下して円高にならないよう、おそらく円売りドル買いしています。
財務省の指示で日銀がドル買いすると「為替介入」になるが、実際は平常時でも年10兆円近くドルを買い越している。
他にも金利をいじったり金融緩和で通貨の供給量を増やしたり、市場操作の方法は色々とある。
世界中の国がこんな事をするのは2008年から2010年のリーマンショックでこうした操作が有効だったからでした。
ところが現在でも政府による操作が効かない市場が一つあり、それが国際原油市場でした。
原油ETFがブームだが異常事態が進行
原油先物価格は2019年に1バレル(約159L)60ドルくらいだったが、2020年現在は20ドル前後まで下落しています。
元は1リットル13円から40円の原油を日本ではガソリン1L130円で売っているわけで、高いのか安いのかわからない。
ドル円や株価は安定しているのに原油だけ1/3に暴落したのは、政府が買い支えや調整をしなかったためです。
原油価格を調整する世界機関は存在せず、OPEC石油輸出国機構は町内組合みたいなもので強制力はありません。
OPECは中東など15ヶ国が加盟しているが、ロシアやアメリカなど非加盟国の産出量が増えて影響力は低下しています。
1970年代にはOPECが価格を決めていて、一挙手一投足に先進国は震え上がったものですが、今は負け犬の集団みたいな感じです。
石油は最初アメリカが独占していたが、中東が最大の産出国になり、今は多くの国で産出されている。
生産調整や価格統制が利かなくなって暴騰したり暴落したりします。
あらゆる相場が政府の統制で動かなくなっても、原油価格だけは自由な価格変動をしています。
原油価格の暴落によって「今後値上がりする筈だ」と考えた一般投資家が原油先物ETFを購入している。
問題は2つあって1つは原油価格はそう簡単に回復するか分からない。
もう1つは原油先物ETFは投資信託で、そもそも原油価格イコールではない。
原油価格は上昇したが先物は下落とかその逆もあり得るし、なかなか思い通りの値動きをしない。
2015年ごろ試しに原油先物ETFを買ったが、為替の影響を受けるので原油価格が上がってもマイナスという事があった。
長期間保有して何年も値上がりを待つなら良いと思いますが、数か月程度で元手倍増などを夢見ると痛い目に遭うかも知れません。
4月20日には史上初めてWTI原油先物がマイナスになるなど異常事態になっている。
原油を買っても売れず置き場所にコストが掛かるので、原油を持っている人がお金を払って手放したからマイナスになった。
話は違うが越後湯沢のゴーストマンションは維持費がかかるので、売る側が30万円などを払って買ってもらう場合がある。
そういう異常事態が起きているので、思わぬ方向に展開して損失を被る可能性もある。