コロナショックで世界の自動車販売が落ち込む中で、EVだけが急速に販売を伸ばしている地域がある。
欧州では2020年1月から3月の自動車販売が25%減だったが、EV販売台数は倍増したと発表されている。
EVは欧州で1月2月と好調なセールスを記録し、コロナが拡大した3月も勢いが衰えなかった。
さすがに4月は減少したと予想されるが、第一四半期の3か月間を通して倍増ペースだった。
2月まで欧州はコロナを「他人事」と見ており通常と変わらない生活を送っていました。
3月にイタリアなどで感染者が増えて、英仏独にも影響が及んだがまだ経済活動は行われていた。
専門家によると3月に売れたEVのほとんどはコロナ前に受注した車を納車しただけだった。
それでもガソリン車の販売(納車)が9割減になった時期も、EVの納車が行われたのは注目に値する。
中国でも同じことが起きており、テスラは1月から3月の販売新記録を達成した。
中国で第一四半期に販売(納車)台数を増やしたのは全メーカーでテスラだけで、EVで増えたのもテスラだけだった。
欧州のEVシェア1位はテスラで2位はBMW、日産などはその他大勢となっている。
こうして見ると2020年第一四半期で「EVが売れた」というのは間違いで、テスラが売れたという方が正しい。
EVはコロナに強かった
第一四半期に中国で売れたテスラ1万台は中国工場で生産しており、生産と言いながら実際は組み立てているだけだと思われる。
主要部品は外部から搬入し中国工場で組み立て、納車したのがコロナ騒動の最中だった。
中国では湖北省と周辺が感染者のほとんどを占めていて、上海や北京や工業地帯には広まらなかった。
欧州のテスラはアメリカから船で輸送していて、コロナ前に出荷した分がコロナ騒動の最中に納車された。
トヨタやVWは世界で現地生産しており、北米でも欧州でも中国でもほとんど生産が止まった。
テスラ倍増の仕組みはこんな感じで、要するにアメリカから出港した荷物が届いたのが、たまたまコロナ騒動の最中だったとも考えられる。
だが顧客から見てコロナを機にEVを選択する人が増えたのは確かで、ガソリン車を食っている。
まずガソリン車は工場が止まってしまい、注文しても納期が分からないので注文しない事が考えられる。
ガソリン自動車は全世界分業制なので、ひとつの国で生産が止まれば全世界の工場が止まる。
EVはバッテリーやモーターなど主要部品の供給国が限られていて、ストックがあれば長期間持ちこたえられる。
2つ目のEVの長所はガソリンスタンドに行かなくて良い事で、コロナで多くのGSが閉店し給油できなかった。
コロナの最中でも電力供給は正常だったので、EVのほうが安定して稼働することができた。
危機の種類にもよるがウイルスに対してはガソリン車よりEVが強かった。
果たしてコロナ危機が去った後もEVの勢いが続くのか注目されます。