カメラの世界で大恐慌
カメラの世界では一眼レフとそれ以外という呼び方が長くされてきたが、今はもうしていない。
ミラーレスカメラの登場で「レフ」の無い高性能一眼カメラが出現し、一眼という呼び方も揺らいでいる。
撮影者がのぞき込むファインダーから撮影レンズの画像が見れるから一眼だが、今は小型モニターで見る人が多い。
今のところ高性能カメラにはファインダーが付いているが、将来はモニターのみになるかも知れない。
またスマホなどでは複数のレンズを搭載したカメラも登場し、もう機械的な特徴では表せなくなった。
将来は単に「高性能カメラ」と言ったり、低価格カメラというような呼び方になるかも知れない。
コロナ騒動でカメラ業界は崩壊寸前に追い込まれすべてのメーカーが赤字になったと見られている。
BCN調査の国内カメラ販売は前年比で3月が50%、4月が31.5%、5月は35.5%で平均すると6割減で推移している。
国内スマホ販売は通年で前年比20%前後のマイナスが予想されていて、カメラ市場はこれよりさらに悪くなると予想される。
政府は「不要不急」を悪者に仕立て上げたが、カメラは不要不急の最たるものとして切り捨てられた。
一方でゲーム機は「必要なもの」として売れに売れたが、何が必要で何が不要かの基準はいい加減なものです。
この状況だとそれほど遠くない将来、国内カメラメーカーの多くがカメラ生産撤退か経営破綻するでしょう。
プロが褒めるカメラは最悪のカメラ?
国内カメラメーカーはまだ7社以上もあるが、この中で将来も持続可能なのはキヤノン・ソニー・オリンパスの3社だけと言われている。
従来主流だったコンデジは将来販売数ゼロになる可能性が高く、収益源は高性能カメラと動画カメラだけになる。
ソニーはセンサーを作っているのでカメラ以外でも利益を出せるし、車載カメラなどでも需要増が見込まれている。
キヤノンは高価格な一眼カメラが強く、オリンパスも世界的に人気がある。
他のメーカーは残念ながら撤退の可能性が高く、縮小し続ける市場にひしめき合っても仕方がない。
2020年3月以降、老舗のカメラ雑誌「月刊カメラマン」「アサヒカメラ」が休刊し事実上廃刊になった。
紙の雑誌衰退もあるがそれだけカメラマニアが減っていて、人々はスマホやアクションカムに流れている。
アマチュアが高品質な動画を撮るには一眼カメラが最も良いが、需要をうまく取り込めていない。
カメラメーカーはレンズのf値がどうのと理屈を言うマニアの声は聞くが、初めて動画を撮る人は「素人」として相手にしない。
素人の対極に居るプロカメラマンが最悪の存在で、カメラ業界をどんどん悪くしているように見える。
素人つまり99.999%の人は「ボタンを押すと誰でも最高の写真を撮れるカメラ」が欲しいのに、プロカメラマンは自分の技術を生かすカメラを欲しがる。
結局プロが最高の評価を与えるカメラとは、アマチュアから見ると難しいだけで良い写真が撮れない事が多い。