2020年のコロナ騒動の最中、全世界の全ての自動車メーカーの売り上げが半減したが、テスラだけはいくつかの国で増加した。
中国ではコロナ後の工場再開と中国工場稼働が重なる幸運もあり、前年比大幅増で全EV中販売首位になった。
カリフォルニア州はテスラの本拠地だが、全ての自動車の中でモデル3が販売首位になった。
欧州でも他のメーカーが販売壊滅した中で売り上げを確保し、ここでも勝者の座を確保した。
欧州での好調はコロナ以前に出荷し船で運んでいた分が、ちょうどコロナの最中にユーザーに届けられた。
その後アメリカのテスラ工場も操業停止したが、6月には再開し他のメーカーより小さな打撃で済んでいる。
大手ガソリン自動車メーカーは国際分業しているため、中国やメキシコなど一か国で生産が止まると全世界で生産が止まった。
EVはモーターやバッテリーなど主要部品をアジアのハイテク工場で生産し、比較的打撃を受けなかった。
結果としてコロナでガソリン自動車は大きく減少し、空き地にEVが入り込んでまたシェアを拡大した。
と言ってもEVの世界シェアはまだ小さく、ガソリン自動車税にとっては小さなアリのような存在に過ぎない。
2019年に全世界で売れた純粋なEVは約200万台、前年からあまり増えておらず中国では補助金打ち切りでマイナスになった。
2019年のハイブリッド車販売は約350万台、ガソリン車は8500万台以上が売れたと考えられている。
勝つのはテスラかトヨタか
2018年、19年と自動車販売そのものが減少し、もちろん2020年はもっと大きく減少する。
2020年の世界自動車販売は通年で10%以上減少するが、EVはガソリン車より減少幅が小さくなる。
台風の目となっているテスラは従来は800万円から1200万円もする高級車だけを販売していた。
モデル3は350万円という触れ込みだったが、実際には性能向上やオプションの強制化などで500万円以上で販売されている。
つまりテスラはBMWやベンツやレクサスのライバルで、プリウスやリーフと比較されているのではない。
テスラの株式時価総額はトヨタに次ぐ世界2位で、これはテスラは潤沢な資金を手にするのを示唆している。
トヨタに匹敵する資金を手にしたテスラは3年以内に新型車20モデルを投入し、フルラインナップを揃えると思われる。
テスラにとって「開発」とはボディ設計やプログラミング開発の事で、モーターやバッテリーや電装品はアジア企業が開発する。
一方ガソリンメーカーはエンジン開発やエンジンに合わせた駆動系、それを押し込むための車体設計などをしなくてはならない。
テスラは20車種を開発するが、その内容はブリキのおもちゃを20種類作るのと変わらないかも知れない。
ガソリン車と比べてEVは短期間に安く大量に開発できるわけで、その差はEVを量産するほど開いていく。
ガソリン自動車の最後の砦は低価格車で、500万円以下の車でEVに負けるような事があると惨敗確定になる。
今のところ300万円以下や200万円以下のEVはガソリン車を打ち負かせないが、バッテリーの高性能低価格化で将来は分からない。