アメリカはニューヨーク州でコロナ感染者が減少したものの、南部や西部の州を中心に再拡大している。
南部テキサス州では17日の感染者数が3129人、西部アリゾナ州では1800人など今までで最多になっている。
西部や南部は東部と比べて感染者が少なかったので、経済活動再開に踏み切るのも早かった。
アメリカでは早速、早すぎた再開への批判や、新たな感染拡大への懸念が出ている。
世界ではまだ感染者が増え続けていてWHOによると6月20日は一日の感染者が最多になり870万人を超えた。
亡くなった人は世界で45万人を超え、ブラジルはアメリカと並んで感染者100万人超、インドも40万人を超えた。
米政府を悩ませる2つ目は人種対立で、デモや暴動は感染者拡大に一役買ってしまった。
アメリカでは黒人の感染者率が最も高く白人や富裕層は低いが、その原因は貧困にあると言われている。
感染者が激増したいわゆるスラム地区は黒人の割合が高く、彼らは職場や住居で密集した生活をしている。
トランプ再選には奇跡が必要か
換気のいき届かない狭い部屋で作業したり、一つの部屋を何人かでシェアし自動車を持っていない。
自動車がないのでコロナが拡大しても電車やバスを利用し、衛生状態が悪い職場を辞めることはできない。
10万人当たりの死者は白人やアジア人が20人台なのに対し、黒人は60人台というデータもある。
ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が白人警察官の制圧でなくなった後、各地で反対運動やデモが発生しコロナの感染源になった。
トランプ大統領は人種問題解決に積極的ではないと批判され、最近支持率が低下している。
民主党などが求めている警察改革について、完璧に訓練され、最高の装備を持つことが重要だと語っている。
一部の州や国会議員は警察の廃止や予算打ち切りを要求し、賛同している白人も多い。
なおアメリカには全国組織の警察は存在せず、それぞれの州や市ごとの警察があり、規範や訓練も違っている。
トランプの3つめの悩みは秋に迫る大統領選で、支持率は低迷し「負けたら別の事をやる」とトランプらしくない発言もしている。
ボルトン前大統領補佐官はトランプと対立して解任されたが、回顧本で「トランプは習近平に選挙協力を依頼した」と書いている。
これが事実なら米中対立の裏で選挙協力を餌に取引し、アメリカを中国に売り渡していたことになる。
政敵が書いた本なので話半分だが、トランプはロシアとも大統領選で裏取引した前科がある。