コロナ前に流行していたのがマンション投資で、サラリーマン大家などの言葉を聞いたことがあると思います。
マンションやアパートや一軒家を購入して大家になり、貸し出して儲けるのがブームだった。
あるいはマンションを購入して値上がりしたら転売するのも流行り、アベノミクスの地価上昇が後押しした。
そうしたサラリーマン大家たちがコロナ後にどうなっているのか、見るのも怖い気がします。
2000年代のアパート建設ブームでアパート戸数が増え、空室率も増えて大家経営の難易度は上がっていた。
90年代や2000年代は大家は楽な副業だったが、今では大家自身が掃除や修繕しないと利益は出ないとされている。
地方の賃貸情報サイトを見ると分かるが人気物件は築10年以内で、15年たつと老朽扱い、築20年は不人気物件になる。
日本の住宅は新築時はピカピカだが20年たつとボロ家になり、アパートの人気にストレートに反映している。
すると家賃7万以上などを取れるのは数年間だけで、6万5万4万と値下げしていくことになります。
アパート投資では中古アパートを一棟買いするのが普通だが、前のオーナーは不人気で赤字だから手放した物件です。
それを設備を修繕したり外見を良くしたり、オーナー自らどれだけ手を加えられるかで成否が決まります。
最初に失敗したアパートを購入して再建するビジネスなので、やっぱり失敗する人が多い。
自己資金でアパートを買う人は少なく大半は銀行から融資を受けているが、借金なので返済しなくてはならない。
入居者が少なく予定した家賃が入らなければ返済金額に満たず、夜も寝ずにバイトして返済資金を工面する。
自分ではやりたくないし他人に進めるのも躊躇するような話です。
1Rマンション投資はどうなった?
続いてブームになったのが「ワンルームマンション投資」でマンションを購入して賃貸します。
これも銀行から融資を受けるが入居者の家賃で返済し、返済が終わったら1円も払わずマンションは自分のものになる。
こういう美味しい話が流布されて多くのサラリーマンが飛びついたが、成功者も居れば失敗者も居ました。
投資物件の紹介サイトに掲載されているリストには「利回り10%、20%」など簡単に儲かる物件がゴロゴロ紹介されている。
だがそれらの利回りは売値を吊り上げるために利回りを大甘で計算していて、利回り10%物件は赤字になるでしょう。
入居率や家賃などを少しずつ多めに計算し、支出のほうも少しずつ少なく計算したら簡単に優良物件を作れます。
アパマン投資の難しさは体験者によれば「利益が出たかどうか分かるのは早くて10年後」だからだそうです。
その人は頑張って入居者を集めて自分では成功していると思っていたが、数年後に物件を売却したらトータルで赤字だった。
つまり頑張って清掃や修繕に励んで入居者を集めて家賃を回収しても、購入価格より売却価格が大幅に低かったらすべて帳消しになる。
売却せず持ち続けたら幽霊アパートなどと言われる物件になるので、アパートは必ず売却することになる。
マンション投資も自分でそこに住むのでなければ、転売して購入価格との差額を計算して、初めてトータルの損益が確定する。
8年間必死に頑張って続けた事業が、実は赤字で自分の人件費も出ていなかったとしたら、絶望感に襲われるでしょう。
今後中古マンション価格は値下がりするので「数年間経営したが赤字だった」というサラリーマン大家が増える筈です。