中国のコロナ流行ピークは2020年3月から4月で、経済は一部で回復し一部は縮小したままです。
中国経済を語るのに注意する点は、中国は「4対3対6」で均一な国ではない点です。
最初の4は都市戸籍4億人、3は農村戸籍農民工3億人、6は農村戸籍農民6億人です。
経済統計や失業率などの調査は都市戸籍4億人だけが対象、社会福祉を受けられるのも都市戸籍だけです。
日本などに海外旅行するのも都市戸籍だけ、農民工や農民は所得水準が低いので、服装を見ればすぐ分かるそうです。
中国政府はコロナから劇的に回復したと言っていますが、回復したのは都市戸籍で都市住人の4憶人だけです。
農民工は農村でしか居住資格がないのに都市に住んでいる犯罪者なので、社会福祉もないし失業者にも含まれません。
中国は農村で失業調査をしておらず、その理由は「農民は失業しないから」だそうです。
つまり中国のGDPや経済調査とは、良い暮らしをしている上位4億人だけを調査し、それを全体に当てはめて推測しています。
徹底して都市住人を優遇する理由
中国汽車工業協会の発表では、2020年8月の新車販売台数は前年同月比11.6%増の218万6千台だった。
中国の自動車販売は公用車の比率が高く、企業であってもGDPの8割を公的企業が稼ぎ出しているとされています。
大きな企業は政府の息がかかっているので、政府の方針や政府の補助金政策が大きく影響します。
特に商用車は43%増を記録し、政府による公共事業などのインフラ投資によって大量購入が発生した。
消費刺激を狙う政府の販売補助金によって乗用車も前年比6%増、特にトヨタやホンダなど日本車が良く売れた。
こうした乗用車は総額300万円近くするので、中国の平均年年収80万円の3倍近い金額です。
新車に限らず自動車を個人で購入できるのは、やはり都市戸籍の4億人の中のさらに少数です。
中国政府は景気を支える為、2008年リーマンショック時の50兆円を遥かに超える支出をすると見られる。
政府支出は公共投資として支出されるので、工業生産などは最初に回復しやすい。
一方で政府支援が行き渡らない個人消費は停滞したままで、農民戸籍9億人への支援は期待できない。
個人への支援も都市戸籍4億人が優先であり、都市やネット上の消費は比較的早く回復する。
なぜ徹底して都市戸籍重視かと言うと、中国4千年(うそだが)の王朝はすべて都市で生まれ、都市住人の離反で滅んだ。
共産党としては都市住人の支持さえあれば安泰なので、農村住民には選挙権もないしどうでも良いと考えている。