
QRコード決済とセブンペイ
QRコード決済は日本で開発されたが、その理由はバーコードで表示しきれない情報を詰め込むためだった。
これを中国は予想外の方向に応用し、クレジットカードのように支払い手段の読み取りに使った。
スマホでQRコードを表示し別のスマホで読み取ることで瞬時に支払いが完了する。
いわゆるスマホ決済の誕生だが、もともと通貨決済用に開発されていないので安全性に疑問が持たれていた。
中国のQRコードマネーはアリババやテンセントが発行したポイントに過ぎず、日本のTポイントに近い。
政府や中央銀行による保証は何もなく、Tポイントを仮想通貨として使用していると思えばいい。
その中国式QRマネーが日本ではペイペイ(ソフトバンク)の100億円キャンペーンで一大ブームになった。
2018年末の第一弾キャンペーンでは、買い物をするたびに20%、抽選で40回に1回の確率で全額キャッシュバックされた。
これに刺激を受けて毎週のようにQR決済参入と新マネーが発表され、セブンペイもそのひとつだった。
セブンペイという安直な名前からもペイペイを模倣しただけと分かるが、サービス初日から大問題を引き起こした。
2019年7月1日にサービス開始し7月11日に全面停止、9月30日にサービス終了した。
原因はセブン関連の他のサービスで「7iD」にログインすれば、パスワードなしで他人に成りすましてセブンペイを利用できた事でした。
セブンイレブンは最強のコンビニと言われているが以前からネット事業に弱く、なんの知識も持ち合わせていないのが明らかになった。
今度はドコモ口座
個別の原因は違うもののドコモ口座の不正利用もセブンペイに似ていて、門外漢の企業が参入して大失敗した。
ドコモは通信会社なのでIT関連に強いように思えるが、独自の決済手段開発に失敗した。
電子決済サービス「ドコモ口座」は銀行口座から入金し、モバイル決済サービス「d払い」で商品やサービスの支払いに使用できる。
ところがドコモ口座は口座番号さえ分かれば他人の口座から入金できる仕組みだったので、不正利用が相次いでいる。
ドコモ口座は2011年にサービス開始と古く、ドコモ回線を契約するユーザーのみが利用できた。
このためドコモ口座の本人確認をまったく行っておらず(契約時に確認済み)、契約したスマホの自動認証としていた。
2019年10月に他社契約端末もサービス対象としたが、本人確認システムの強化はされなかった。
他社端末ユーザーはメールアドレスと銀行口座番号だけで、銀行口座からドコモ口座に入金できた。
他人の口座番号を知ることができれば自分のドコモ口座に入金できるようになり、不正利用が相次いだ。
セブンペイもドコモ口座も少し考えるか事前にテストすれば分かるような事で、素人っぽさを感じさせる。
ドコモはサービス廃止はせず、免許証などによる本人確認で対処するとしている。