急遽辞任した安倍総理に替わって官房長官が新総理になったが、新政権の顔ぶれに苦戦がうかがえる。
自民党最大の権力は幹事長ポストだが二階幹事長留任、幹事長は通常1年で交代するのに4年もやっている。
二階が幹事長になったのは2016年8月で、当時安保法制をめぐって安倍首相の支持率が急落していた。
二階は自民党左派で韓国や中国に顔が利き、旧民主党や社会党議員などととも通じている。
90年代に自民党の支持率が低迷したころ、河野洋平が野党や中韓とのパイプ役で権力を握ったのに似ている。
安倍首相は安保法制の後も森友加計のモリカケ騒動、花見騒動や昭恵夫人や閣僚不祥事などスキャンダルに悩まされた。
旧森派を中心とした主流派は騒動を沈静化できず、二階が剛腕と野党のパイプによって鎮圧していた。
こうして安倍首相は二階に頭が上がらなくなり、「二階内閣」のようになっていった。
その二階は自民党派閥で最も早く菅候補支持を打ち出し、麻生派や細田派、竹下派が雪崩を打って支持を表明した。
2012年の自民党総裁選では劣勢と見られた安倍候補に麻生派が最初に支持を表明し、麻生太郎は7年間副総理と財務大臣を務めた。
その麻生も二階派に次いで菅候補支持を表明し、菅内閣で財務大臣への留任が決まった。
なぜこうなるかというと菅義偉には自分の派閥が無く、派閥に所属しても居ないので支持派閥が無い。
経済政策「なにもなし」の驚き
安定した政権を築くには強力な支持基盤が必要、安倍総理、小泉総理はいずれも旧森派出身だった。
中曽根総理は中曽根派など長期政権の総理は、いずれも最大派閥か強力な派閥出身でした。
現代は「脱派閥」が受けるので形だけ離脱するが、総理になると出身派閥を優遇するのはお約束になっている。
二階と並び安倍政権を支えた麻生副総理だったが、財務大臣としては消費増税を主導し経済低迷の原因を作った。
麻生財務大臣は財務官僚のコピー人形のような人で、「増税、緊縮、財政健全化」しか言わない。
日本がこの30年経済衰退したのは不況下に「増税、緊縮、財政健全化」を同時にやったからでした。
不況とはお金が動かない事で、好景気にするには「お金を使う」積極政策が必要になる。
ところが「増税、緊縮、財政健全化」は国がお金を使わない政策なので、やればやるほど景気悪化します。
菅新総理は総裁選で色々しゃべったが、経済政策について一回も発言しませんでした。
どうやって景気を良くするとか日本経済を復活するというプランがなく、おそらく何も考えていない。
安倍首相は2012年の総裁選で「金融緩和でデフレを克服し2%のインフレ目標を達成する」を公約にしていました。
結局2%の成長率もインフレ目標も一度も達成しなかったが、菅新総理はその安倍首相以下という事になる。
菅首相に何かを期待するとすればお金をばら撒く事だけですが、緊縮屋の麻生が財務大臣では期待できない。
結局菅首相は経済を悪化させるだけで終わる予感がします。