アーム4兆円売却は「絵にかいた餅」
ソフトバンクの孫社長が主導した投資には嘘が多いが、最近発表されたアーム売却も怪しげな内容が明らかになった。
ソフトバンクはアームを2016年に約3兆3000億円で買収し、法外な高額買収だと批判されました。
それから4年後の2020年、を米エヌビディアに最大400億ドル(約4兆2000億円)で売却すると発表されました。
4年で差額1兆円の大儲けと孫氏は胸を張ったが、大半は現金取引ではないのが分かった。
米エヌビディアによるアーム買収は同業の巨大企業による買収で、競合他社が独占禁止法違反などの訴えを起こす可能性が高い。
インテルのようなライバルは裁判に出なくても米議会や政府に働きかけ、買収を中止させようと試みると考えられている。
エヌビディアは「アーム買収には米英中EU政府の承認が必要」と言っているので、想像以上に困難でしょう。
半導体は現代の戦略物資に当たり、日韓のもめ事を見ても自国の不利になる事を承認しないと思われる。
2016年に米クアルコムが440億ドルで蘭NXP買収を発表したが、中国政府が承認せず2年後に断念と発表した。
「大儲け」実際はトントン
半導体大手ブロードコムがクアルコムの買収は米トランプ大統領が、「国家安全保障に対する脅威」という理由で拒否し撤回に追い込まれた。
今回のソフトバンクと米エヌビディアの取引も、今の時点で「絵にかいた餅」に過ぎないのが分かります。
アーム売却額は現時点で理想的な金額が440億ドルになるが、売却が承認された時いくらになっているかは不透明。
またソフトバンクが受け取るのは現金120億ドル、エヌビディア株4430万株(現時点で215億ドル)になる。
他はアームの業績によって最大50億ドルを受け取るが、現金以外は確約ではない。
エヌビディア株は1年間で2倍以上上昇したので、今後も上がれば良いが下落する可能性が高い。
全て合計すると現時点で各国がすぐ承認すれば335億ドル、だがエヌビディアの株価が下落するともっと少なくなってしまう。
結局440億ドルというのはすべてがうまく行った場合の最高金額で、普通に考えると3兆円程度になる。
ソフトバンクがアームを買った金額は3.3兆円なので、期待収支はトントンに過ぎない。