日本人より外国人優遇という愚かさ
安倍政権は訪日外国人を重視し2019年は3,188万人(+2.2%)、外国人消費は4.8兆円(+6.5%)にも達しました。
政府はさらに訪日外国人6000万人の目標を掲げ、東京五輪と相まって達成は時間の問題かに思われました。
だがそこで2020年のコロナ流行が起こり全てはご破算、訪日外国人観光客はゼロになりました。
訪日外国人数は2003年には約500万人に過ぎず、安倍首相就任後の2013年から急増し始めました。
安倍首相在任中の6年間で約4倍、観光客誘致は大成功し日本は観光大国と呼ばれるようになりました。
ここからが問題なのですが外国人消費が2兆円、3兆円と増えても日本の成長率は年1%で上積みは見られませんでした。
民主党政権3年間の平均成長率は1.87%、安倍政権2019年までの平均成長率は1.04%でした。
あの「鳩山」「菅」「野田」トリオの6割程度の成績しか上げられなかったというのが、安倍時代の実態です。
これに訪日外国人消費が寄与したのかですが、何ら寄与しなかったばかりかマイナスに作用したと思います。
外国人が日本に来てお金を使うのは、トヨタが車を生産して輸出するのと同じ経常黒字になります。
「ありがたや、ありがたや」と観光業の人は言うのだが、日本の国は豊かになりません。
自動車を生産したり外国人観光客にサービスするのは、自国の労働力が外国に流出するのを意味します。
外国人観光客誘致は日本を貧困にした
フィリピンとかアフリカの貧しい国は、中国や欧州に出稼ぎしてメイドや道路工事などをしています。
いくら働いても先進国のための労働なので、フィリピンやアフリカは豊かになりません。
それを見て日本人は「貧しいなあ」と感じるが、訪日外国人にホテルでサービスするのも同じ事です。
もしフィリピンやアフリカの人が出稼ぎせず、その労働力を自国の為に使ったらもっと発展するでしょう。
訪日外国人のために働いている労働力も、それを日本のために使ったら2%でも3%でも成長したでしょう。
安倍政権は訪日外国人を800万人から3200万人に増やしたが、増やした分だけ日本の労働力が外国人のために使われました。
アメリカやイタリアやフランスは観光大国と呼ばれていますが、日本以外の観光大国は全て貿易赤字で経常赤字です。
赤字を補う必要があるから外国人消費で補填しているが、日本は膨大な経常黒字なので何の意味もない。
ホテルマンを100万人も養成するよりは、老朽化したインフラを再建したほうがGDPは増えます。
例えば首都高速道路は「全世界の高速道路でもっとも見すぼらしい」日本の恥ですが誰も直そうとしません。
外国人はじゃんじゃん増やして国内の事はほったらかし、これでは経済成長する筈がありません。
訪日外国人倍増とかばかな政策は辞めにして、政府が国内でお金を使ってGDPを倍増させるべきです。
GDPを倍増すると公的債務のGDP比は半分に下がるので、実は「日本の借金問題」とは成長率が低い問題です。