茶農家に見る中国人の「本当の収入」
中国は世界2位のGDP1300兆円を誇っているが、その内訳は一切不明でなにがそれだけのGDPを産んでいるのか誰も知らない。
ひとつの誤解として「1300兆円を13億人で割ると1人当たりの収入になる」という事があります。
日本人の1人当たりGDPが433万円などと言うと、1人当たりの年収に錯覚するのと同じです。
1300兆円を13億人で割ると約100万円で、中国人の1人当たりGDPは100万円と分かります。
これは中国のGDP1300兆円が真実だった場合なので、嘘であったら1人当たりの数字も変わってきます。
さて日本人の1人当たりGDPは約433万円ですが、日本人労働者の1人当たり年収は200万円台後半に過ぎません。
日本の労働人口は総人口の半数程度に過ぎないので、全国民1人当たりの年収は年金を含めても200万円未満です。
1人当たりGDP433万円に比べて200万円未満が年収、こうなる理由はGDPを生み出し受け取る大半が、企業や富裕層だからです。
企業や富裕層は何兆円といった金を手にしているが、一般国民が受け取っているのは年収200万円以内です。
中国も同様に一般国民の年収は最大限良くて1人当たりGDPの半分、40万円から50万円だと推測できます。
中国政府の公式発表は80万円くらいですが、それは「平均的労働者」という意味不明な統計です。
農民の平均年収は15万円、2億人は年収7万円以下
中国の中でも不明なのが農民の年収で、数年前から調査も公表も辞めてしまいました。
最後の発表では2011年に農民の平均年収は8万円台で、もうすぐ年収10万円に届くだろうと誇らしげに言っていました。
国家統計局は2020年に「農民6億人の平均月収は1000元(約1万5000円)という統計を発表しました。
発表する気はなかったのだが社会階層別の可処分所得を発表したら、一番下の階層が農民だった。
9年間で8万5千円から17万円というのは、最近の低成長を考えると多すぎるがそれほど無理のない数字です。
国家統計局はもうひとつミスをやらかし、茶農家の収入が平均より高いと自慢してしまいました。
政府の支援策などのお蔭で茶農家7000万人(茶栽培の農民が2600万人、茶摘み従事者が3300万人、加工・流通関連が1100万人)が貧困から抜け出したという。
貴州省茶産業関係者の1人あたり収入は1万699元(約16万5000円)、貴州省は全土でも貧しいことで知られている。
こうした数字を見ても中国農民の平均年収は約15万円程度のようです。
どんな経済統計でも一部の高所得者が「平均」を上げてしまうので、平均以下の人が3分の2以上を占める。
おそらく3分の1は平均より少し下、残りの3分の1は「平均」の半額以下でしょう。
すると中国農民6億人のうち2億人は年収10万円程度、貧困の2億人は年収7万円以下になる。
これが中国農民の本当の年収です