GOTOバブル
政府が実施した経済支援策GOTOキャンペーンのうち、GOTOイートの利用が始まっている。
GOTOトラベルは利用金額の35%が割引され15%が商品券だったが、GOTOイートでは違っている。
GOTOイートでは飲食代金と関係なくランチ500円、夕食1000円がポイントとして付与される。
極端な話1円であれば1回あたり差額999円のポイントが儲かるが、予約サイトを通じた予約でしかポイントは付与されない。
ぐるなび、ホットペッパーグルメ等のオンライン飲食予約でランチ1,000円、ディナー3,000円以上を予約すると次回から利用できるポイントで受け取れる。
問題は「全員の利用金額」には下限があるものの、1人あたり利用金額に下限がない事でした。
例えば1人当たり300円ほどで10人が予約すると支払いは全員で3000円、受け取るポイントは1万円分になる。
特に話題になったのは焼き鳥の鳥貴族で、1品327円からオンライン予約が可能だった。
これは予約時に注文を決めず、来店してから注文する客が多かったのを考慮した仕様と考えられる。
鳥貴族はこの後、1品327円からオンライン予約をできなくし、コース料理のみ予約可能とした。
批判を受けて農水省はポイント錬金術の対応策を後日発表すると方針を示した。
旅行サイトやグルメサイトの評判はどう決まるか?
他にも問題があり、GOTOイートは結局一部の大手チェーン店や有名店にお金が落ちる仕組みになっている。
ポイント付与はネット予約のみで、受け取ったポイントは「イート」対象の飲食店でしか使えない。
したがってGOTOイート利用は予約サイトの人気店に集中し、近所の食堂的な店には無縁となります。
これはGOTOトラベルでも起きている現象で、そもそもネット旅行サイトに掲載していないと対象にならない。
予約サイトを通さなくてもGOTOトラベルに登録可能とされているが、個人経営の民宿などでは登録しても利用者が増えない。
結局ネット旅行サイトで人気のホテルや宿に利用が集中し、最大の利益を得るのは旅行サイトになる。
GOTOトラベルもGOTOイートも、どの店や宿を重視するかのさじ加減はサイト側が握っている。
数年前にあるグルメサイトが、店舗から金銭を要求し金額に応じてランキングや星の数を決めていたと報道された。
そのサイトのある登録店が「上納金」を拒否したところ、星一つの最低ランクに格下げされたという。
上納金が多い店は悪い評価や悪いコメントを削除してもらえ、全て「最高のお店でした。また行きたい」のようなコメントになります。
こんな事がGOTOトラベルやGOTOイートの実態で、サイトへの上納金で利用者数が決まるとも言われている。
グルメサイトや旅行サイトは店や宿からリベートを受け取り、その金額で良い評判にも悪い評判にもできるのです