アメリカで貧富の格差が最大
最近のニュースでアメリカの金持ち50人の資産が、米国民の下位半分と同等だったという調査結果がありました。
ブルームバーグによると米連邦準備制度理事会(FRB)の2020年上期データでこのような結果が出ている。
同レポートでは上位1%の合計純資産額34兆2000億ドル(約3620兆円)、下位50%(約1億6500万人)の資産額は合計2兆800億ドルだった。
また下位50%(上位1%と同額)の資産額は全米の家計資産の1.9%、上位49%の人が96%を保有している事になります。
ブルームバーグの独自調査では上位50人の資産は、2020年だけで3390億ドル増え、約2兆ドルだった。
2020年はコロナ流行による経済縮小であらゆる労働者が大打撃を受けたが、「働いていない」富裕層の資産は激増した。
このカラクリはFRBや各国が行ったコロナ支援や金融緩和にあり、大量のお金を発行したり配ったりした。
例え政府が貧困者にお金を渡しても、貧困者はすぐに使ってしまい最終的に金貸し屋や富裕層の資産になります。
これを象徴するのがGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)等のIT企業で、アメリカで成長しているのは巨大IT企業だけです。
米下院司法委員会議員は巨大IT企業分割を求めた演説の中で、「石油王や鉄道王が支配した時代のような独占を得てしまった」と表現した。
日本ではスマホ料金を巡って政府と巨大通信企業が対立しているが、これもIT企業の独占支配を巡る問題です。
IT企業の創始者やオーナーは昔の王や大名のような資産を手にし、労働者は働けば働くほど貧しくなっている
働くほど貧しくなる時代
資本主義理論では働けばお金を得られ生活が豊かになる筈だが、現実には働くほど貧困になっている。
この秘密は資産の増加にあり、世界の資産増加ペースが労働賃金増加を遥かに上回っている。
日本では最近30年で実質労働賃金がほとんど増えていないが、個人資産は今や2000兆円に達しようとしている。
バブル崩壊した1991年の家計資産は約1000兆円だったのに、2020年現在は約1900兆円と倍増している。
この30年間汗水たらして働いた人の給料は実質1円も増えず資産は減り、一切働かず金利収入だけを得た人の資産は倍増しました。
これでやる気が出たら凄いハングリー精神ですが、そのうち人類みな無気力になるでしょう。
経済学者によると現代は中世暗黒時代以上に貧富の差が大きく、人類史上最大の格差が生まれようとしている。
すると民主主義だの平等な権利だのは無意味になり、数人の超資産家が政治や経済を牛耳るようになる。
この社会が将来どうなるのかは不透明で、ある日マネー経済のシステムは破綻するのかも知れません。