コロナ以前の米ダウ平均高値は、2020年2月12日の2万9551ドルだったが3月23日に1万8591ドルまで下落しました。
このまま経済危機かと思われたが下落は一瞬で、10月現在は2万8000ドル台と元の水準を回復しています。
この間コロナは収まるどころか拡大を続け、アメリカでも欧州でも患者数は増え続けていました。
不思議な現象の理由は中央銀行の金融緩和と政府の経済支援策で、短期間に数百兆円がばら撒かれた。
トランプ政権は夏までに2兆4000億ドル(250兆円)を支出し、追加で2兆ドル(210兆円)の支出法案を決めようとしている。
総額4.4超ドル(450兆円)ものコロナ対策費で、日本の56兆円緊急補正予算が見すぼらしく見えるほどです。
アメリカはこの予算で企業に融資し、労働者が働かなくても給料を受け取れるようにしました。
しかも一定の条件付きで、給料支払いに使った融資は返済しなくても良い事になっている。
これだけではなく産業界には航空会社などに大型支援を実施し、経営難なのに金余りで株価が上がった。
黄金の20年代に類似
米中央銀行FRBも金融緩和で民間にお金を貸し出し、銀行はFRBから借りて民間に貸し出している。
労働者が受け取った金は消費や返済や投資で企業に集まり、企業はその金を株に投資した。
この結果空前の株高が起きているが、本来の企業業績や企業価値とは無関係に株価が上がりました。
典型的なバブル経済であり、80年代後半の日本や1920年代のアメリカの状況とも似ている。
20年代のアメリカは黄金の20年代と呼ばれる超好景気で、この時期の高度成長でアメリカは超大国になった。
日米開戦時に日本では牛車で戦闘機を運んでいたが、アメリカは個人がスポーツカーを乗り回していました。
20年代の人々は「不況は古い経済システムのせい」だと考え、今後もう不況は起きないと考えていました。
今世界は「本当なら大恐慌の真っただ中」なのに、政府がお金をばらまいたせいで「不況が起きない世界」になっています。
本当にFBや日銀や政府が無限にお金を発行して経済を維持すれば良いが、どんな物も有限です。
テスラは無限に成長するか
するとバブル崩壊カウントダウンになり、1929年のアメリカや1991年の日本のようになります。
2020年の米株式市場で最も株価が上がったのはテスラで、年70万台程度の販売台数なのに株式総額では自動車世界一になりました。
さらに呆れたことに「まだ1台も自動車を生産していない」ニコラは10ドルから79ドルに高騰した。
その後ニコラは20ドル以下に急落しているが、テスラの未来を暗示しているかも知れない
GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)は物を製造しておらず、iPhoneを作っているのは中国企業です。
物を製造していないので加速度的に成長できたが、テスラは自動車という現物を自分で製造する必要がある。
根本的に成り立ちが違うのに投資家は、テスラもフェイスブックのように無限に成長する夢を描いている