世界中でアマチュアによる動画配信が大人気だが、中国もご多分に漏れず多くの動画配信者がいる。
だがその活動は日米欧など西側社会とはかなり違っていて、創作活動は偏っている。
中国での動画活動最大の特徴はまず、世界最大動画サイトYouTubeで活動できない事で、閲覧すらできません。
中国政府がユーチューブやツイッター、フェイスブック、グーグルなど西側の「有害メディア」を遮断しているためです。
武漢ウイルス騒動では武漢市内から現場情報を配信する中国人ユーチューバーが存在したが、全員が”行方不明”または公安に拘束されています。
迂回手段で閲覧することも違法なので、持ち物検査などでスマホにアプリが入っていたら、おそらく逮捕されます。
YouTubeの特徴は配信者が広告収入を受け取れる事だが、中国人はこのシステムに参加できない。
中国ではネット世代を90後世代と呼び、90年代以後に生まれた人たちが動画配信中心になっている。
中国動画市場はライブ配信と短編動画の2つの流れがあり、短編動画はTikTokに代表され年収5億円の配信が居る。
TikTokで年収5億円の配信者はアメリカ人で、中国人はやはり「西側のTikTok」を見る事も参加もできない。
中国では動画配信者への広告収入は少なく、成功者でも収入の1割程度にとどまる。
大きな収益源は商品販売と企業案件で、このため中国人配信者は物を売ろうとする傾向が強い。
中国の上位配信者は平均収入2億円
短編動画より大きな市場になっているのがライブ配信で、中国版TikTokも生放送配信が主流になっている。
日本のユーチューバーは生放送で視聴者をびっくりさせる事に努力しているが、中国の配信者は商品を宣伝し売る事に全力を注ぐ。
日本で中国人観光客が多かった時、ドラッグストアなどで中国人が自撮りしながら商品説明していたアレです。
日本の配信者は広告収入を得る為視聴回数を重視するが、中国人配信者は物を買ってもらうため視聴者数は重視しない。
人気配信者は生放送で視聴者数万人程度だが、宣伝した商品が飛ぶように売れて、売り上げの一部が収益になる。
という訳で中国では芸術性にこだわった動画作品は生まれにくく、ひたすら商品を売り続ける。
ライブコマース(生配信による販売)は儲かるというので多くの素人や芸能人、短編動画の人気配信者が参入した。
だが主催者によれば成功者は僅かであり、ライブ配信の商品販売というスタイルも飽きられてきている。
年10倍など急激な成長を遂げてきたが、2020年9月の上位50人売上は8月の100憶円から90億円に減少した。(中国の調査会社調べ)
それでも上位50人の売り上げは平均2億円近くあり、成功を夢見る人は多い。