全日空と日本航空はともに半年間で2000億円以上の赤字を出したが、韓国の航空会社は黒字を確保した。
大韓航空は2020年4から6月期の最終損益が1624億ウォン(約140億円)の黒字を確保した。
前年同期に3808億ウォンの赤字だったのがコロナで黒字転換し、かえって経営が好転しました。
大韓航空の旅客売上高が90%減少したが、貨物売上高は倍増し大幅黒字になった。
一見不合理だが大韓航空はもともと旅客輸送が少なく、貨物輸送が主体だったので旅客が減るより貨物増加のメリットが多かった。
大韓航空の国際旅客路線は米州が83%減、欧州が95%減、中国が98%減、日本が99%減、国内線も69%減など壊滅状態です。
それでもへっちゃらなのは韓国では旅客便はLCCに転換し、大手航空会社は貨物専用に特化したからでした。
貨物便はコロナで医療品関連の輸送が増加したと思われ、これが続くのかは不透明です。
もう一つの大手航空会社アシアナ航空も前期577億ウォンの赤字から、2020年4から6月期は1162億ウォン(約105億円)の黒字に回復した。
同様に旅客便は9割以上減少したが、貨物便が倍増したので収益が改善した。
韓国LCCはすべて赤字
韓国の旅客航空便は2大航空会社から格安のLCCに移行したが、4月から6月は国内国際線ともに95%以上の減少になった。
韓国LCCはほとんどの機体がリースで自社所有資産はないに等しく、自前の整備施設なども持っていない場合が多い。
旅客需要が壊滅したのは大手と同様で、マスクや電子部品などの貨物を積んで飛ばしている。
LCC最大手のチェジュ航空は国際線旅客数が7~9月期も99%減、国内線も例年の1割から3割程度の乗客しかいない。
韓国にはLCCが6社もあるが現在はすべて赤字と見られ、政府の航空支援によってかろうじて存続している。
済州航空、イースター航空、ジンエアー、Tウェイ航空、エア釜山に加えて韓国政府は3社のLCC参入を2019年に認可した。
コロナ騒動の前とはいえ明らかな過当競争で、韓国でまともに利益を得ている旅客航空会社は1社もない。
新規参入の3社はコロナ騒動で開始のめどが立たず、このまま参入を撤回すると見られている。
アシアナ航空はコロナの貨物需要で黒字になったがそれまで赤字経営であり、売却先を探していた。
ところがコロナによって韓国経済が悪化し、買収交渉が頓挫して経営破綻の可能性も出てきた。
今後も韓国航空業界は厳しい状況が続くでしょう