菅政権の両天秤政策
両天秤という言葉があるが外交ではほとんど悪い意味に使われ失敗する。
韓国はアメリカの同盟国だが中国の「忠実な家臣」であろうとし、中国が覇権を握る未来を夢見ている。
朴槿恵大統領時代の初期にはアメリカの衰退と中国の猛追が際立ち、数年で中国が抜くように見えた。
朴槿恵は北京まで出向いて習近平にゴマをすり、「中韓軍事同盟で日米同盟を倒す」とぶち上げた。
中国の伝統的統治術は始皇帝時代から「ゴマをする相手には冷たくあしらう」なので習近平は相手にしませんでした。
だが習近平はオバマ米大統領(当時)との初対談で「G2」をぶちあげ、太平洋を米中で2分割しようと持ち掛けたことがあった。
ハワイやグアムはアメリカに保証するから、日本、台湾、フィリピン以下は「中国の領土だ」と主張しました。
これを聞いたオバマは中国が考えていたのと逆なのに気づき、中国と対峙する外交にチェンジしてきました。
トランプ大統領は「中国をぶちのめす」を公約に掲げて当選し、実際中国に外交攻勢をかけた。
菅外交は失敗するだろう
直接的には輸入関税を上げたりファーウェイを排除したが、欧州やアジアにも中国排除を呼びかけた。
そのひとつが「アジア太平洋構想」で平たく言うとアジア太平洋から中国を排除する軍事同盟です。
構想にはオーストラリアなどが賛成したが、日本の安倍首相は乗り気ではなく中国とバランスを取る姿勢が目立った。
安倍首相の中国よりは2015年のサンゴ船団事件から目立っていて、最近は中国海警が尖閣諸島に接近しても抗議すらしなくなっていた。
菅首相に代わって中国よりはさらに強化され、アメリカの「アジア太平洋構想」参加を事実上拒否した。
菅政権は「アジア太平洋構想」ではなく「アジア太平洋」の平和と安定と言い換え、中国を刺激しないようにした。
アメリカと中国のどちらにもつかず、両天秤で双方を手玉に取る戦略だが、有史以来この手の小細工が成功した例を知らない。
菅首相はもともと内政に強いが外交には疎く、中国にもアメリカにもあまり関心がないようです。
小泉政権は対イラク戦争で「ショーザフラッグ」つまり敵か味方か旗を見せろと言われ、イラク戦争に後方支援で参加した。
菅政権は旗を隠して両方と商売しようとしているが、おそらくどちらからも信用されず見下されるでしょう