11月16日発表の20年7月から9月日本のGDPは年率約18%プラス、前期はマイナス28%の大幅マイナスだった。
20年7月から9月は閉まっていた店が開いたり休業していた人が労働したので大幅プラスになりました。
差し引くとマイナス10%だが日本のGDP計算は、その数値が1年間(4回)続いたらそうなるという数値です。
実際にはマイナス7%プラス4.5%、それに1月から3月のマイナス0.6%を足してマイナス3.1%がこれまでの成長率です。
普通は四半期の成長率を足すと年間成長率になりますが、変動幅が大きいと10%のマイナスのあと10%成長しても1%ほどマイナスになります
日経新聞予想では日本の2020年成長率はマイナス6.3%、上振れしてもマイナス5%程度に留まるでしょう。
これが良いのか悪いのかですが、主要国でGDPプラス予想がされているのは中国とベトナムくらいです。
中国は19年10月から20年9月までの成長率は年4.9%で、20年はプラス成長を確保すると予想されている。
アメリカは第二四半期マイナス32.9%、第三四半期はプラス33.1%、9月の前年同月比はマイナス2.9%でした。
第四四半期がプラスだったとしても、やはり1%から2%は年間でマイナスが予想されます。
アメリカは6月ごろには年間5%以上マイナスが予想されていたので、2%程度に収まれば「トランプ政権」の大勝利になる。
欧州委員会は11月5日、EU27カ国の2020年成長率をマイナス7.4%という予測を発表しました
欧州の機関車ことドイツは年間マイナス5.4%、ドイツのコバンザメことフランスは9月の前年同月比GDPがマイナス4.3%なので4%台のマイナスが予想されます。
米中GDPの秘密は借金による政府支出
EUから離脱したイギリスは6月時点のGDPが前年同月比マイナス21%なので、後半回復しても大幅マイナスは避けられない。
このように見ると主要国で日本より良いのは中国とアメリカ、韓国も日本よりは良い筈です。
コロナによる日本の打撃は平均的なもので、アメリカや中国のほうが良かったが欧州よりマシだった。
中米日欧という順番は政府の支出額に比例していて、日本は約57兆円ですがアメリカは200兆円以上の支出を決めています。
中国は平常時でも300兆円ほど公共投資を行っているので、コロナ下ではその2倍は支出しているでしょう。
欧州各国はEUの財政制限という縛りがあるので、コロナであっても日米中ほどの巨額予算を組みませんでした。
主要国の成長率は実は単純に、政府が支出したお金の順番に過ぎないのが分かります。
日本は19年9月に539兆円だった実質GDPが、20年6月に484兆円まで1割以上減少した。
中国はGDPプラス成長と引き換えに、3000兆円以上と言われる政府債務を1割以上増やしたはずです。