画像引用:https://www.nna.jp/news/show/1994735?id=1994735 【中国自動車白書】華晨汽車集団 BMWとの合弁が柱も伸び悩み – NNA ASIA・中国・自動車・二輪車
華晨汽車集団が経営破綻
2020年10月20日に中国国有自動車メーカーの華晨汽車集団(遼寧省瀋陽市)が経営破綻したのが分かった。
国有企業の破綻も異例だが今まで成長産業だった自動車メーカーの破綻というのも、時代の潮目が変わったと想像させる。
コロナ不況で自主ブランド車の販売が低迷し、BMWなど合弁事業で補う事ができなかった。
BMWの他にルノーとも合弁し三つの自主ブランドを持ち、BMWブランドからの収益性が低下していた。
華晨汽車とBMWは従来50%づつの出資比率だったが、外国資本規制見直しでBMWの比率を75%に引き上げた。
華晨汽車の出資比率は2022年に25%まで引き下げられるので、売上げ1台あたりの利益も半減する。
それが信用力の低下につながり投資や融資を受けられなくなり、コロナによる売れ行き不振と相まって経営破綻した。
10月23日の深夜、額面10億元(約157億円)社債がデフォルトし、華晨汽車は債務不履行になった。
債務不履行になっても事業や会社そのものが消えるわけではなく、同社は再建を目指し事業を継続したいとしている。
華晨汽車は遼寧省政府が出資する自動車メーカーで、遼寧省が株式の100%を保有している。
従業員数は4万7000人、総資産は1900億元(約2兆9790億円)上場企業4社を含む160社のグループ企業です。
従来このように政府と関係が深い企業は、政府が絶対に破産させないというので安心感があった。
中国自動車バブルの終焉
華晨汽車は「華晨BMW」でBMW乗用車を、「ルノー金杯」でルノー小型商用車を生産している。
「中華」「華頌」という独自ブランドもあり、同様の展開は他の中国メーカーも行っている。
思えば日本の自動車メーカーも高度成長期からバブル期にかけて「インフィニティ」「ユーノス」など意味不明なブランド展開をした。
日本の技術が未熟な間は欧米メーカーの技術協力も多く、中国も日米欧のメーカーと合弁し多様なブランド展開をした。
だが結局名前を変えてもマツダはマツダ、日産は日産、中国車は中国車な訳で何ら効果はなかった。
華晨汽車の場合、純利益の9割をBMWが稼ぎ、独自ブランド車は赤字だったと考えられる。
中国の自動車販売台数は2017年の2888万台がピークで18年は2808万台、19年は2577万台でした。
2020年はコロナもあって9月まで1711万6000台では6.9%の減少、通年でも減少が予想されています。
つまり中国は3年連続で自動車販売が前年比割れで、高度成長が終わり頭打ちになっている。
中国国産ブランドのシェアは3割台で、コロナ以降は外国車比率(特に日本車)が高まっている。
生産が間に合わなかった時代は安い中国車も人気があったが、今や自動車は余っているのでドイツ車や日本車の方が売れている。
華晨汽車の経営破綻はまさに中国自動車産業の潮目が変わった出来事でした