上昇期はみんなが儲かるが
投資家には大きく分けて楽観派と悲観派がいて、たいていは楽観派が連戦連勝します。
これは経済が成長している期間のほうが、下落している期間より遥かに長いからで、成長期は誰でも儲かる。
世界を揺るがした2007年から2010年のリーマンショックも、長期的なグラフで見ると何ら影響を与えていない。
世界経済全体で見ると最悪期の2009年に一度だけゼロ成長になったが、マイナスにはなりませんでした。
もし世界の成長率平均に投資していたとすると、リーマンショックは無かった事になります。
これを実践しているのが年金積立金投資GPIFで、2001年に運用開始してから一度も損失を出したことが無い。
仕組みは世界全体に平均して投資しているからで、世界経済がマイナスにならない限り絶対に損失が出ない。
2020年はコロナによって世界成長率はマイナス4.4%(IMF予測)だが、GPIFは通年または2年間のトータルではプラスになります。
世界経済はコロナでマイナス成長になったが、反動で急成長するからで、時間が経てば「勝手に儲かる」仕組みだからです。
これは全世界の成長率に平均して投資するGPIFだからできる事で、個人投資家の多くは人生トータルで負けているとされています。
相場では9割以上がトータルで負け、少数の人が勝者になり、さらに少数の人が巨万の富を築きます。
言い換えると無数の敗者が存在しなければ、投資で1兆円勝つような大富豪も生まれないので、仕組みとしてそうなっています。
圧倒的多数が敗者になる投資の仕組み
『投資は賭け事とは違う』これは投資家が良く言いたがるセリフですが、わたしの考えでは『投資も賭け事も同一のもの』です。
賭け事は胴元が手数料を取り、残りをプレイヤー同士で戦って少数の人が勝者になる。
投資も証券会社が手数料を取り国が税金を取り、残りを投資家同士が戦って少数の人が勝者になります。
投資が賭け事より有利なのは「世界経済が成長している」ので、毎年3%くらい配当が増えている点です。
だから賭け事より少し有利だがマイナスもあり、巨大なレバレッジ(倍率)を掛ける事が可能です。
賭け事では1万円払ったら1万円の馬券しか買えませんが、投資では100万円で1億円の投資のような事が可能です。
金額が巨大なうえにレバレッジが効き、オプション取引では少額で巨額取引も可能です。
このため「30万円で投資したら1億円の借金ができた」ような事が定期的にニュースで騒がれます。
ギャンブルで破産するより投資で破産する方がずっと簡単なので、投資は賭け事より危険で悪質とも言えるのです。
それでも投資で1億円稼いだようなサクセスストーリーを夢見て投資するので、これはもう宝くじやパチンコと変わりません。
投資の本質は将来も不変
投資の本質は賭け事と変わらないが、投資にも種類があり、GPIFは物価に対して資産を減らさない事を目的としています。
「増えなくても良いから減らさない」わけで、巨額な資産を運用する財団などが良くやっています。
2つめは長期投資、Wバフェットがやっていたバリュー投資で、マクドナルド株を買って50年保有するような事です。
3つめは短期投資で昔日本でもBNFやCISといったカリスマデイトレーダーが話題になりました。
彼らのような超天才は存在するにしても、テニスのプレイヤーみたいなもので世界チャンピオンに成れるのは1人です。
100万人が彼らに挑戦しても儲かるのは結局1人か数人なので、街の喧嘩屋がボクシングのチャンピオンと戦うようなものです。
投資にはランキングや階級がなく、自分が戦っている相手は世界チャンピオンである可能性が高い。
少数の勝者が大金を稼げるのは無数の敗者が居るからで、このため投資で9割が負ける法則は将来も不変です