ビットコイン強気派と懐疑派の対立
ビットコインは10年程前にゼロからスタートし当初は無料配布、初期は0.001円以下の買値しかつかなかった。
だが何度かの上昇を経て2020年はコロナによる資産バブルで高騰、ついに1コイン300万円以上になった。
10年前ビットコインを「1円」でも買っておけば、今は豪邸が経つほどの価値になっていた計算です。
2020年までのどの時期に買っても大儲けだった筈だが、ビットコインには常に暴落の予想がつきまとっている。
ビットコイン強気派は2021年までに3000万円つまり1年間で予想した時点の10倍値上がりすると豪語している。
米金融大手シティバンク(Citibank)の幹部トーマス氏は過去のチャート分析から、2021年12月までに31万8000ドル(約3300万円)と予想した。
1年間とは言わずとも強気派のほとんどは長期的に300万円の10倍以上を期待している。
2020年1月日にJPモルガンは「ビットコインは14万6000ドルまで高騰する可能性がある」というレポートを発表している。
これに力を得たのか1月8日には4万1962ドルの史上最高値を付けたが21日には3万10000ドル台に急降下し、その後は乱高下している。
対する懐疑派筆頭は英国金融当局で、「ビットコインを買った連中は一文無しになるだろう」と警告している。
英金融行動監督機構(FCA)は21年1月11日、「暗号資産への投資きわめて高いリスクを伴う」という声明を出した。
加えて「投資を行う場合には、全てを失う覚悟をしておくべきだ」とビットコインに投資しないよう呼び掛けた。
ビットコインの将来性は誰にも分からない
ビットコインは1月に急落したのに合わせて警告を発したが、アナリストらは「登山家が次の山に登る前一休みするのと同じ」と一笑に付した。
英FCAは暗号通貨は投資の原則が通用せず、将来暗号通貨の換金ができなくなる恐れもあると指摘した。
バンク・オブ・アメリカは懐疑派で、リーマンショック前の住宅バブルやドットコムバブルと同類であると断じた。
今の時点でどちらが正しいかは分からないが、過去の歴史は正しいのはどちらか一方だけだと教えている。
1996年に米FRB議長グリーンスパンは「根拠なき熱狂」とバブルを警告したが、その時のダウ平均は6,448ドル、今は3万ドルを超えている。
結局グリーンスパンの指摘は外れ、せいぜいどうでも良い程度のバブル崩壊を予言しただけだった。
逆の例もあり2007年春のアメリカは好景気で、「われわれは不況を克服した」と言っていました。
ところが夏には最初の住宅ローン破綻があり、その後の3年間でアメリカは崩壊するかどうかまで追い込まれた。
1929年大恐慌の前の日まで「人類は不況を克服した。もう不況はこない」などと言っていました。
これらの教訓からは、予想は当たらないし未来は分からないと言え、ビットコインが1コイン1億円になるかゼロに戻るのかも分かりません。
欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのアイルランド中銀総裁は最近「ビットコイン投資家は全資金を失う可能性がある」と述べた。
これもグリーンスパンの警告のように杞憂に終わるかも知れないし、現実にゼロになるのかも知れないが誰にも分からない