北京-上海線は唯一黒字だが、それは建設費を除いた話
画像引用:https://www.163.com/air/article/EJ15O7MA000181O6.html
中国大手メディアが高速鉄道建設を批判
中国の高速鉄道についてはこれまで批判的に書いてきたが、中国人もようやくうまく行っていないのに気付き始めた。
中国メディアの百家号はバイドゥ(百度)が運営するニュースサイトだが、最近我が国の高速鉄道はすべて赤字だと報じた。
中国高速鉄道は営業開始以来ほとんどの路線が「赤字」で、18鉄路局のうち12が通年で赤字になっている。
2020年上半期だけで955億元(約1兆6000億円)の赤字、負債総額は5兆5700億元(約93兆円)以上に達すると書かれている。
記事はアメリカはなぜ高速鉄道を建設しないのかがテーマだが、間接的に中国の現状を浮き彫りにしている。
赤字でも中国が高速鉄道建設を進めるのは、国民の利便性と建設によって経済を支える目的だと書かれている。
中国高速鉄道の負債は灰色のサイとして中国の将来に深刻な影響を及ぼすかもしれないという指摘があり、米国が赤字で高速鉄道を建設しないのは賢明だとしている。
中国では面と向かって政府批判記事を書くと運が良くて記者資格取り消し、運が悪ければ一生刑務所暮らしになる。
なのでこの程度の批判記事でも書いた記者や編集者は、なかなかリスクを背負った事になる。
従来中国高速鉄道の記事を書くときは、世界最高であり今や世界最高峰だと褒めちぎるのが常だった。
例外は日本の新幹線に乗った中国人旅行者が、乗り心地が良いとか弁当が美味いなどと褒める事だが、それは個人の感想です。
百家号の記事では中国高速鉄道鉄路局の累積赤字は約100兆円としているが、驚くことにこれには鉄道建設費が含まれていない。
巨額債務でGDPを買っている
中国鉄路局はあくまで完成した鉄道路線を利用して列車の運行を行う公的企業で、鉄道建設予算は別なところから出ている。
中国は毎年日本の新幹線全長に匹敵する高速鉄道を建設していて、20年から35年までの15年間で3万5000キロ建設する。
1年で2300キロ建設し1キロ当たりの建設費は日本と同程度まで高騰しているので、キロ50億円はかかります。
すると年間の高速鉄道建設費は約10兆から20兆円、在来線と地下鉄も毎年日本の全路線に相当する距離を建設し続けています。
鉄道の運営費だけで年2兆円赤字、そのうえ鉄道建設費は毎年10兆円以上負債が増え続けています。
中国には以前鉄道省があったが年50兆円も鉄道建設費を使って批判が強まり、半官半民の鉄路局になった。
だが民営化しても鉄道建設ペースは同じなので、現在も年間50兆円以上は鉄道建設に使っている筈です。
中国の高速鉄道建設は都市開発とセットなので、新線をひとつ作ると100万人規模の都市がいくつも生まれ巨大事業になります。
これがGDPを生み出して年間6%以上の高度成長になっているが、種あかしは巨額債務でGDPを買っているだけです