宏光MINIは約47万円、前後を伸ばすとアルト・ミラサイズになる
画像引用:https://blog.evsmart.net/ev-news/wuling-hongguang-mini-ev-china/ 45万円で9.3kWh〜中国の電気自動車『宏光MINI EV』が発売早々大ヒット中 _ EVsmartブログ
何も生み出さなかったi-MiEV
三菱自動車が世界初の軽EV市販車「i-MiEV」を発売したのは2009年で、三菱はかなり販売に自信ありげでした。
この辺の見通しの甘さがのちの経営破綻につながるのだが、補助金適用で350万円という価格では売れる筈も無かった。
当時人気だったワゴンRはフル装備で約120万円、燃料満タンで約350キロ走行できて給油所はその辺にあった。
i-MiEVの航続距離は新車で160キロだが、EVはエアコンや経年劣化で半分しか走らないのが常識、つまり実際には80キロでした。
現在も役場の広報車などでたまに見かけるが、町内をのんびり走る以外に使い道はありません。
例外として離島ではガソリンが希少品という事情があり、島内では航続距離は短くて良いのでEVが多く使用されている。
初代テスラ(ロードスター)が市販されたのは2008年で、開発開始はi-MiEVが早く試作車は同時期に発表されている。
テスラはこの10年間で年産50万台に増えたが、i-MiEVは何も残さずひっそりと消えた。
結局i-MiEVは惜しまれもせず2021年に販売終了したが、パイオニアとはこういう物なのかも知れない。
テスラは補助金適用後でも当初1200万円以上の高級車、ポルシェやフェラーリをぶっちぎる加速性能が売りでした(最高速度は低い)
i-MiEVは長所と言えるものが何もなく、ガソリン軽自動車と比べて値段は3倍で、充電のための設備も新規導入する必要があった。
超高級車としての高級さや性能を売りにしたテスラと、何一つ取り柄が無い経済車というマーケティング能力の差でした。
軽EVのコンセプトは受け継がれた
何も生み出さなかったi-MiEVだが軽のEVというコンセプトは何度も試みられ、なぜか中国で大成功している。
上汽通用五菱汽車が2020年に発売した「宏光mini」は一日1000台以上が売れ続ける大ヒットになっている。
値段は2万8800元からで日本円で50万円以下、見た目は初代アルトを前後に短くしたような2人乗り+荷物または子供となっている。
宏光MINIは出力27馬力で最高速105km/h、航続距離160kmなのでi-MiEVとほぼ同じ、それでいて価格は7分の1です。
おそらく日本の安全基準は満たされていないので、日本の軽規格にして4人乗りにすると150万円くらいになるでしょう。
アルト・ミラがEVで200キロ走行出来て150万円だったら、ガソリンスタンドが少ない地域では結構売れると思います。
佐川急便は先日、中国EVメーカーと共同開発した軽貨物で、自社の全ての軽貨物(7200台)と入れ替えると発表しました。
写真を見るとハイゼットやキャリイそっくりで、航続距離は200キロで速度も100キロは出るでしょう。
佐川急便は金にがめつい事で有名なので、日本郵政のように採算性のないEVは導入しないでしょう。
つまり軽EVで配送した方がガソリン軽バンで配送するより低コストになると試算した筈で、それなら個人事業者も軽バンEVの方が安くなるでしょう。
日本の軽メーカーは数年以内に実用的で低価格の軽EVを発売しないと、中国メーカーに市場を乗っ取られる可能性があります。
日本で成功すれば東南アジアや世界でも中国メーカーが主導権を握り、家電市場のようになる。
こういう時代がもう5年後とかに迫っていて、のんびりしていたらダイハツやスズキは居場所がなくなってしまう