減った分が増えたのだがGDPというのはこんなに整然とした形にならない
画像引用:https://www.cnbc.com/2021/04/16/china-economy-q1-gdp.html China says its economy grew 18.3% in Q1, slightly missing expectations
超高度成長は数字のマジック
中国の2021年第一四半期GDPは、前年同月比18.3%という予想以上の好調ぶりを示した。
この数字には評価が分かれていて”コロナ中””コロナ後”と分けると実は平均値の約6%に戻っている。
前年の2020年第一四半期はマイナス6.8%で今回はプラス18.3%なので、平均すると5.75%になる。
最近の中国成長率は年5%台だったので、コロナを挟んで平均値に収まったわけです。
とはいえ中国は世界でもっとも早くコロナが流行したが、もっとも早く収束し経済も平常に戻った。
鉱工業生産は前年同期比24・5%増、固定資産投資は25・6%増、小売り売上高は33・9%増だった。
ただし中国は他の国が前期比で発表しているのに対し前年比で発表する為、大袈裟に誇張されやすい。
前期比4%と言うより前年比18%増というほうが増えた気がするので、そうした効果を狙っている。
コロナによって大きく下がり、その後大きく増えたという事だが、今後はまた5%程度の成長率になるでしょう。
アメリカや欧州などもコロナ後にコロナ前と同水準に戻るとすると、結局平均すれば同じになるでしょう。
中国が嫌っている前期比に数字を直すとGDP0.6%増になり、3.2%だった前回より鈍っている。
奇跡の経済回復の実態は、またしても借金頼みの公共投資や公共事業だと言われている。
数百兆円投入して2%成長、それも怪しい
中国のコロナ復興をなしとげたのは住宅と輸出で、この30年GDPの原動力になったのと同じでした。
中国政府がコロナ対策でいくら使ったのか公表していないが、数百兆円に達すると見られている。
くわえて平常時のGDPを確保するためにも同程度使われた筈で、合計すれば大国のGDPに匹敵する額を1年で使っている。
これは中国指導部も気になるようで、今期は前期と比べて公共投資が大幅に縮小し、前期比とくらべてGDPが伸びない原因になった。
先進国で経済の原動力になっている個人消費は伸びておらず、例年新記録を連発するアリババは不祥事騒動で鳴りを潜めている。
例外は超高級なスイスの腕時計などで、2020年は前年比20%増の約2800億円も売り上げた。
対照的に消費が落ち込んでいるのは香港で、雨傘運動終息で中国のただの一部になり、魅力を失い活力もなくなった。
コロナ中とコロナ後の中国成長率を平均すると、コロナ前とぴったり同じになるのは不自然で、後で信ぴょう性の物議をかもすでしょう。
2008年の中国の成長率(9.65%)はおかしかったが、2020年の成長率(2.27%)も操作した匂いがぷんぷんします。