経済成長で捨てたもの
韓国の2020年出生率は世界最低の0.84だったが、専門家は21年の出生率は0.7台になるだろうと考えている。
結婚という制度が崩壊したかのようになっていて、家族主義だった伝統がここに来て崩壊している。
日本はまた夫婦別性の議論をしているが、韓国は意外にもずっと夫婦別性でした。
先進的だった訳ではなく娘は結婚しても親の姓を継がなくてはならないからで、夫の家族のメンバーには入れてもらえないからです。
伝統的な朝鮮の家族は男性が継承するもので、女性は結婚しても他人であり家族ではないので姓も違う。
女性の権利とか自由とは根本的に違う理由で夫婦別性なので、混同するとおかしな事になる。
韓国は表向きは戦後、実際には1980年代に民主化したが、民主主義国では例外なく婚姻率が低下している。
欧米民主主義では結婚するしないも子供を産むかどうかも女性の自由で、家事をするかも働くかも女性の自由とされている。
これが民主主義だとすると民主化した国ほど婚姻率や出生率が下がるのは仕方なく、実際にそうなっています。
日本では家族とは家を相続するもので、武家や貴族では家系を守り発展させるのが人生の最終目標でした。
百姓では田んぼを相続するのは長男だけで、次男以下は小作人になり掘っ立て小屋に住むか長男一家の居候になることが多かった。
女性は裕福な農家の長男に嫁ぐのが良いとされ、本人の意思は(男性側も)尊重されなかった。
結婚式が終わって初めて結婚相手の顔を見たという夫婦は昭和中期まで珍しくなく、結婚は親や周囲が決めていました。
この時代の出生率はものすごく高く、昭和20年代は5以上もあり、日本政府は人口が増えすぎて悩んでいました。
そこで人口を減らす手段として「結婚も出産も本人の意思にしよう」となり、劇的に婚姻率と出生率が下がりました。
崩壊した家族、崩壊する国
人口が減ってめでたしめでたしとはならず、日本政府は「人口が減って欲しい」と願っていたが実際に減り始めたら国が崩壊し始めた。
女性たちは「子供を産むなんてまっぴら」と言っていて、将来は日本人の生涯未婚率は50%を超えると予想されている。(現在は25%程度)
今は30代までに6割の女性が結婚していますが、逆に30代以降結婚する人は少ないので、一生で結婚する人の割合は6割台になるでしょう
ここで大問題になるのが女性の高学歴化と女性の労働、女性の社会進出で、20代の10年間を結婚と出産ではなく学業と労働に使ってしまいます。
必然的に高学歴で高収入な女性ほど婚姻率が低く出産数も少なくなると考えられ、実際にそうなっています。
統計では低学歴で低収入な女性ほど婚姻率が高く、年収1000万円以上の女性の8割は生涯未婚だそうです。
国中がこうなっているのが韓国で、韓国は大学進学率が非常に高く、女性も8割が大学進学しています。
日本では20代までに女性の40%が結婚しているが、韓国は29歳女性の未婚率が77%つまり23%しか結婚していない。
しかもこの調査は韓国が今よりマシだった2015年のものなので、現在は20%程度になっていると推測できます。
30代の女性は20代より不人気になり結婚し難いので、30代以降で結婚するのはその半分程度になります。
すると韓国人女性の生涯婚姻率は30%程度で、7割が未婚で人生を終えるという恐るべき予測になります。
男性は必ず若い女性を望むので、女性が望む金持ちの男性は20代女性を選ぶでしょう。
好条件で結婚できる20代で結婚する女性が2割しかいないのが、いかに異常な事態かわかります。
出生率でも裏付けられていて、出生率が0.7ということは韓国人女性の2人に1人くらいしか子供を産んでいません。
婚姻率の傾向からは韓国の出生率はまだまだ下がるだろうと思えるのです
ではすべての男女が結婚したくないのかといえばここにも民主化の問題があり、今は自由恋愛なので「恋愛をする能力」が高い人しか結婚できない。
民主化前の結婚は親や仲介者が勝手に進めてくれたので、本人は最終的にイエスかノーかだけ決めればよかった。
日本、韓国共に異性と交際している人は結婚年齢の3割前後なので、これでは頑張っても3割の人しか結婚できないでしょう。
恋愛能力が高い人しか結婚できないという社会システムにも大きな問題がありそうです