中国の財政はうまく飾られているが、ワニの口(財政赤字)は徐々に開いている
画像引用:https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=60925?pno=2&site=nli 中国の「2025年問題」-人口、財政、社会保障関係費の三重苦【アジア・新興国】中国保険市場の最新動向(36) _ニッセイ基礎研究所
現実を見ようとしない各国
中国のGDPについては発表されるたびに信ぴょう性が取りざたされていて、10年くらい経たないと確認できない。
2008年から2010年頃の中国GDPはウソである疑いが強かったが、今になってみると数年間のトータルでは成長していたようです。
実際の成長率は中国が発表した10%より低いが、5%よりは高かった可能性が高い。
仮に中国の今のGDPが発表より2割少ないとしても、10年前の中国は5%以上は成長していた計算になるからです。
こんな風に真実は後にならないと分からないのだが、GDPという数字についても本当に国力を表すのかという議論がある。
たとえば日本はGDP500兆円だが財務省によると借金が1000兆円あり、差し引きマイナス500兆円です。
ところが財務省の計算では「国の借金」ではない民間債務を含めているので、本当の日本政府の借金は500兆円ほどでGDPと同じです。
世界の多くの国は自国の借金を少なく見せかける事に命を懸けていて、アメリカでは国全体の借金は「国家機密」で大統領も知ることが出来ない。(知っているが黙っている可能性もある)
リーマンショック時にブッシュ大統領がうっかり口を滑らせたのは、アメリカの公的債務が5000兆円以上あるという事でした。
公開されているアメリカ政府の借金は連邦債務だけで28.5兆ドル(約3000兆円)、州や市や民間団体の債務になっているものが少なくとも同額あると言われている。
アメリカのGDPは約22兆ドル(約2400兆円)なのでGDP比200%以上の公的債務を抱えている。
だがアメリカは連邦債務しか認めていないので国際的には公的債務がGDP比120%程度と認識されている。
『国際社会』では米国の債務がGDP比120%で日本240%なのだが、実際にはアメリカ240%で日本は120%程度です。
中国の財政は爆発前の福島原発
数字のマジックとしか言いようがないが、中国もこの手のマジックを使っていて、中央政府の他に地方政府、公的企業、公営企業、支配下企業や団体が存在する。
中国GDPの8割は公的企業が稼いでいて、アリババやテンセントも共産党の支配下企業です。
公式な銀行はすべて国営で民間銀行は存在せず、民間銀行とされる銀行は国営大手銀行の出資を受けている。
こんな具合に中国には日米欧のような民間は存在せず、国や地方政府の借金を民間に付け替えている。
例えば中国が国債や地方債を発行する時、投資家には高利回りな投資商品として販売している。
年利10%で政府が元本保証する投資商品を投資家が買うと、それが実は中国国債で高速鉄道建設などに使われる。
こうして中国政府は無限に膨らむ財布を持っていて、いくらでもお金を取り出して公共工事に使い、公共工事でGDPを拡大させた。
だが騙されていた投資家が「この投資商品はゴミだ」と気づいたら、その時は米サブプライムローンと同じになります。
どうも中国は刻一刻とその日が近づいているようで、最近中国は高速鉄道の新規建設を辞めると突然言い出した。
無限に公債を発行して投資家には有利な投資商品だと思い込ませる手法は、限界になっていると考えられる。
日本のように中央銀行が国債を買う手法もやっていると考えられ、中国の公的債務はGDP比で200%から300%に達すると考えられている。
中国のGDPは発表では1500兆円だが実際はもっと少なく、しかも政府の借金が3000兆円から5000兆円はあると推測している。
『大きすぎて潰せない』と言う言葉があるが、欧米の経済学者も事態が深刻過ぎて口にする事すらできなくなっている。
最悪の場合中国の本当のGDPは1000兆円程度で、政府債務は5000兆円もあるとしたら、それはもう「福島原発が数分後に爆発する」ような事でみんな黙り込んでしまう。