利用者は安いほうが良いので、参入者が増えれば報酬は下げられる
全国拡大と報酬引き下げ
ウーバーイーツは2020年にコロナで大ブレイクし、21年春にサービス地域を全国に広げると発表しました。
3月の発表によると年内に日本全国にサービス地域を広げ、47都道府県すべての都市部に進出する。
20年3月時点では33都道府県の大都市部だけをカバーしていて、首都圏や近畿ではかなりの成功を収めている。
5月に米ウーバーの決算が発表されたが意外にも料理宅配は赤字、配車サービスは黒字だった。
配車部門では約3億ドルの利益を得たが、料理宅配部門は2億ドルの赤字だった。
元々ウーバーの配車サービスは赤字だったので、それを補うために料理宅配を始めたがこれも赤字になった。
ウーバーのサービスの欠点はライバルが簡単に参入できることで、料理宅配も日本だけで雨後の筍のように参入した。
他社が参入すると価格は競争で下がり、労働者確保のため報酬は増やさなくてはならなくなります。
ウーバーの手法はギグエコノミーと呼ばれていて、ネット上で単発の仕事を請け負うネット労働者を差している。
彼らの報酬は社員を雇うより安いが労働者の質が安定せず、必要な人数が確保できない事もある。
日本では最初ウーバーイーツ配達員を確保する為高額報酬を出したが、報酬引き下げが発表されている。
最初九州で報酬体系の見直しが行われ、今後全国的に引き下げられるのが分かった。
競争原理にさらされる料理宅配
これまでの報酬体系は(東京の場合)、店で受け取る料金が265円、届ける料金が125円、配達は1キロ60円だった。
地域によって違うが報酬は明確で、場合によっては回転を良くすると月数十万円稼げると言われました。
これだと配達員の報酬は1回500円から800円になり、1時間2回配達すればアルバイトより高収入でした。
新体系ではこうした報酬の内訳はなくなり、先行地域では1回の配達報酬が200円以下から500円程度になったと報告されている。
先行した福岡では1回100円台から500円程度の報酬になっていて、従来より200円は下げられているようです。
これはウーバーイーツの全国展開やウーバーイーツの赤字と関係があり、全国展開すると今までより収益性が悪化します。
新潟や岩手では注文は少ないのに配達距離が長く、今までの報酬体系だと1回1000円などになるのが容易に予想できる。
そこで事前に報酬を引き下げておいて、人口が少ない地域でもウーバーが赤字を被らないようにする。
またウーバーイーツを模倣した宅配サービスが増えたので、客は配達料の引き下げを望んでいる。
こんな風に料理宅配の報酬は引き下げられていくが、これは当初から分かっていたことでした。
20年はコロナによって需要が供給を大幅に上回ったが、一種の異常事態で本来はあまり儲かる仕事ではないです。
ネット上のギグエコノミーは応募者が多ければ報酬は1円などになる場合があり、応募者が少なければ高騰します。
仕事とするにはかなり不安定なものです