熟した実は落ちる
国の成長過程は果実と似ていて、急速に成長して大きな実がなるが、実が熟すと落ちて腐ります。
落ちて腐るのを防ぐには絶え間ない革新や社会制度の更新が必要だが、多くの国はこれができない。
日本は1980年代まで輸出国家で国民全員を工場労働者にしようとしたが、気づくと賃金上昇で競争力を失っていた。
欧米型の内需主導国家に転換する必要があったのだが、30年経った今も出来ていない。
内需主導国家にするには国民の自由度や民主化が不可欠で、国民を工場労働者としか見なさないような国では国内消費が続かない。
ソ連や北朝鮮に「消費者」が居ないのと同じく、日本国民は国から奪われまいと身構えるばかりで「絶対に消費なんかしないぞ」と思っている。
中国は近年国内消費が伸びているが、内容を見ると富裕層と貧困層、超貧困層に別れている。
おおまかに都市戸籍を持つ人が4億人、農民工が3億人、農村戸籍が6億人だがこのうち消費人口は都市戸籍の4億人だけです。
4億人の中でも豊かな人とそうでない人がいて、豊かな人はせいぜい1億人と見られている。
彼らの年収はおそらく日本人と同等で、ジャックマーのような超富裕層もかなり居ます。
中国の人口は13億人だが自動車やマンションを買うような人は1億人程度で、消費どころではない人は人口の半数はいる。
中国は80年代から輸出工場になろうとし、国民を低賃金な工場労働者にしてきた。
自由がない国で消費者は生まれない
中国も経済成長で賃金が上昇し、今では東南アジアの半数の国より平均賃金が高い。
だからと言ってきのうまで働く機械のように扱ってきた国民が、欧米のような消費者になるのは無理です。
消費者は自由や民主主義が保証されて初めて消費するので、理由もなく公安に連行されるような国では先進国のような消費者は生まれません。
日本では数年おきに国が増税を繰り返すので、国民は国を信用しなくなり「1円も奪われたくない」と身構えている。
これが30年不況の根本原因で、日本には本当の自由や民主主義がないから「消費者」が生まれないのです。
首相夫婦が贅沢三昧して増税を繰り返し金をだまし取られる、こんな目に何度も遭ったら消費などする筈がないです。
2020年に中国は、コロナのどさくさに紛れて香港を本土化し一切の自由をなくしてしまいました。
これでもう自由な香港映画を見ることは永遠にできなくなり、ジャッキーチェンは習近平を褒め称える映画にしか出演しないでしょう。
香港では道を歩いているだけで(本土の)公安や警察に連行され、行方不明になるという例が増えている。
これでは香港の人は自由が保障されないので、今後香港は時間が経つにつれて衰退するでしょう。
自由がない場所では人々は警戒し、消費などしないものです