がんは現代病ではなく現代になって減った?
癌は現代病と言われていて近代以降に激増し、今や先進国の半数が生涯にがんになると言われている。
だがこうした常識が新たな研究で打ち破られることがあり、がんについても間違いだったと訂正されるかもしれない。
ナショナルジオグラフィックの記事によると、英ケンブリッジ大学の研究チームが定説を否定する研究を発表した。
ケンブリッジ大学周辺の遺跡から143体の骨を最新の技術で調査したところ、5体からがんが発見された。
従来の技術では中世の骨からがんが発見されるのは1%程度で、現代人よりずっと少ないとされてきた。
現代人の骨からがんが検出される割合は3人に1人から2人に1人であり、生涯にがんを発症する確率に近い。
誤差を計算すると14世紀イギリス人が生涯にがんになる確率は14%で、現代人は50%以上なので低いように思える。
だが14世紀イギリスの平均寿命は25歳前後、現代イギリス人は81歳なので年齢を考慮しなくてはならない。
これは日本の数字だが現代の20代までの人ががんを発症する確率は、1000人に1人で0.1%程度です。
14世紀イギリスの20代が10%以上なのに対して、現代の20代は0.1%程度なので100分の1に減少した事になる。
従来の説から逆転どころか正反対の考え方で、にわかに信じがたいかも知れない。
「がんは文明病で、近代化で発がん物質が増えて発生した」というのが常識だったからです。
文明ががんを激減させ長寿化した
保険会社は「日本人の半数が生涯にがんになります」と宣伝しているが、実は欧米先進国でも同じになっています。
日本は世界一の長寿国だったが欧米先進国も追いついて80代になり、高齢者のがんが激増しています。
がんに発症するほとんどは50代以上で、30代以下の人は「がんにならない」、よほど特別な例外と言っても良いでしょう。
14世紀イギリスは産業革命前で日本の江戸時代以前のように自然に依存した生活をしていました。
だが欧州では自然に採れる石炭がすでに使われていて、木を燃やす薪とともに大量の煙を出していた。
食べ物は自然食品だったが、品質検査や検査局がないのでどんな成分が含まれるか分からない。
イメージでは近代化によって公害が増えてがんが激増したような気がするが、実際は近代化によって公害は減ったかも知れない。
地球全体を汚染するほどではなかったが、中世の生活の場ではいつも大量の煙があり、煙を吸い込んで癌になった。
考えてみれば日本の江戸時代以前は電気がなく燃料は木材だけ、生活の場にはいつも煙が立ち込めていた筈でした。
もし文明が様々な病気を生み出したなら人類の寿命は短くなる筈だが、実際には世界中で伸び続けている。
結局文明が寿命を延ばし、長寿化によって高齢者ががんなどの病気になり「生涯に病気になる確率」が増えている。
だが14世紀と現代では生涯の寿命が3倍も伸びています