高級車だとこれだけの半導体が使われている
画像引用:https://semicon.jeita.or.jp/future/future_A09.html 自動車は走る半導体 – JEITA半導体部会
エンジンの時代、突然終わった
2020年から21年にかけて半導体不足が表面化し、自動車生産ができない事態になった。
自動車メーカーはまったく想像していなかった事で、減産や操業停止に追い込まれた。
2021年のトヨタの生産台数は月別では過去最高に達しているが、半導体があればもっと生産できた。
VWやGMやフォードも半導体不足で減産を余儀なくされ、すべてのメーカーが影響を受けた。
ここで重要なのは不足したのが石油でもエンジンでもなく半導体だった点で、自動車メーカーは製造できない。
半導体なんか使ってないよという人でも、フューエルインジェクション(燃料制御装置)は原付バイクでも使われている。
最近のエンジン乗り物は燃費が良く排ガスが少なくパワーがあり寒くてもエンジンがかかるが、それらは半導体で制御されています。
半導体はガソリンより重要なものになっていて、ガソリンなしで走る車はあっても半導体なしで走行できる車はない。
半導体供給国の世界一位は意外にも台湾で2位は韓国、3位は意外にも日本で4位は中国、ただしこれは半導体全般での工場所在地です。
車載半導体もあまり変わらないと思うが中国が猛追していて、2022年には中国が車載半導体で2位になるという予測がされている。
車載半導体メーカー世界1位はドイツのインフィニオン、2位はオランダのNXP、3位がルネサスエレクトロニクスとなっている。
ルネサスは日立と三菱の半導体部門を統合した会社で、日本企業としては頑張っている。
自動車は半導体で走っている
1位と2位は欧州企業だがアジアに工場があり、多くの工場がコロナの影響を受けた。
自動車メーカーを抱える主要国は半導体確保を働きかけたり、自国の半導体生産を増強しようとしている。
特に中国はこの機会に「半導体覇権」を握るべく巨額投資をし、また世界の半導体支配をもくろんでいる。
1970年代にオイルショックがあり、全世界のスポーツカーや大排気量車が生産停止に追い込まれた。
石油は産業の米と呼ばれたが、そういう時代は過ぎ去り気が付けば半導体の時代になっていた。
EVの時代とも言われるが石油で走る車は今後も無くならないだろうし、水素など燃料電池車も増えると予想される。
ガソリン車燃費世界一は長くトヨタハイブリッド車だったが、日産Eパワーはガソリンエンジンで世界初の熱効率50%を達成した。(今後発売される)
日産Eパワーではエンジンは発電だけをしてモーターで駆動するので、エンジンは燃費だけを追求できる。
火力発電所の熱効率は最高のもので50%だが多くは40%以下、送電してバッテリーに充電しモーターで走行すると最終的に25%くらいになる。
今後ガソリンエンジンの効率は火力発電所を超えるでしょうが、EVは自然エネルギーや原発を使えるので環境には有利です。
ガソリン燃料は使われ続けるでしょうが、既に日本の過疎地ではガソリンスタンドが無くなりつつあります。
そうした場所ではプリウスが大人気で、あの車は1回の給油で1000キロ走行できるので月1回街に出て給油すれば良い。
家庭で充電できる実用的なEVが発売されたらこうした田舎で売れる筈で、ガソリンスタンドが多い都会より需要が多い。
いずれにしてもガソリンの時代は徐々に終わり、燃料は石油だったり電気だったり水素だったりするが、一番重要なのは半導体という時代になっています