むかしは変わり者、今は定番
車中泊は10年前くらいまで被災者がしかたなく車で寝泊まりするもので、決して良いイメージではなかった。
被災者が車中泊でエコノミークラス症候群になったなど暗いニュースが多かったが、様変わりしている。
今や旅行の定番スタイルとして定着し、車中泊用の車や施設も登場している。
カーメディア「くるまのニュース」のアンケートでは77%が車中泊に興味があり、76%がした事があると回答しています。
興味があるほぼ全員が既に車中泊をしていて、ハードルの低さが伺えます。
車中泊をした状況の回答では約50%が1人旅、少人数旅行も37%、釣りなど早朝から活動したい時も37%に達した。
車種ではミニバンが45%、軽自動車が28%、suvやセダンは20%台だった。
メディアやユーチューバーは軽バン特集が多いが、実際に軽バンで車中泊は少数派のようです。
ミニバンやワゴンはフラットシートになったり荷台が平らになるので、そこをベッドにすればすぐ寝れる。
軽自動車だとフラットシートにならない車種もあり、軽バン以外は荷台だけでは寝るのに足りない。
軽バンや軽ミニバンでは車中泊を意識した設定があり、ハイエースのような本格ワゴンにもその波は広がっている。
アメリカでは車の中に住むバンライフやトレーラーハウスは一般的で、ホームレスの人も多い。
欧米は馬車時代から車中泊文化
カリフォルニア州などでは地価が高騰してワンルームマンションが家賃30万円、家族用だと40万円から50万円以上もする。
そこで中古車を公園や路上、スーパーの駐車場などに置いて、自宅代わりにする人が多い。
アメリカでは土地が余っているからか、スーパーの駐車場(野球場くらいの広さ)に勝手に止めても文句を言われないという。
欧米では車で生活したり放浪生活するスタイルが馬車時代からあり、ひとつの文化になっています。
日本では戸籍制度があり、住所を持たず旅をしていると、捕まえられて佐渡金山などで働かされました。
日本は最近やっと車の中で宿泊し始めたところなので、欧米の300年遅れといったところでしょうか。
アメリカでは車をその辺に止めても良いが(市街地以外)、日本では車を停車させる場所すら限られています。
そこで車中泊用の施設をつくる自治体や企業が増えていて、コロナでも利用者はあるようです。
むしろコロナ感染を恐れて他人と関わらず旅行できる車中泊の人気は上がっている。
道の駅にRVパークを設置する例が増えていて、利用料は1泊500円から3000円以上まで様々です。
高いRVパークは専用のコンセントや水道、ごみ捨て場やトイレ、風呂かシャワーも近くにある場合が多い。
500円のは単に止めて良い場所で、施設は道の駅のトイレなどを使うのでしょう。
災害時や避難時の車中泊も定着した感があり、避難所の不自由さやストレスを考えると車という避難場所は貴重です。