老朽団地の活性化
自分の町や近くの町の郊外には、昭和中期に建てられた公営(やUR)団地が存在しないだろうか?
多くは昭和40年代から50年代の人工急増期に建設され、築40年以上は経っている。
外観はいかにも古びていてひび割れやカビが確認でき、公園には雑草が生え放題になっている。
数十年住んでいる住人は高齢化し、なぜか土地の一部を囲って家庭菜園を作っている。
だがある日周囲を足場で固め、撤去されるとピカピカに生まれ変わっている事がある。
これが団地リノベーションで古い団地を再生させ、入居率を一気に上げて若者の移住も促進しようとしている。
こうした古い団地の家賃相場は1万円以下から3万円程度(入居者の所得による)で、リノベーショすると3万円から4万円以上になる。
エレベーターを追加するとさらに高くなり、設備を改善するほど家賃は上昇する。
エレベーター無しだと下層階から埋まっていき、人気でも6階とかは何部屋か空いている。
URでは同じ建物でも2階や3階は高く4階以上は安いのが普通で、市場原理が働いている。
大都市周辺では安い公営団地に住みたい需要は結構あり、部屋数が多いので民間アパートよりお得感がある。
若い人にも人気があり、夫婦で子供連れでも低家賃なので、移住促進や少子化対策にもなる。
日本人の7割は無職と非正規労働者
日本全体で労働者の4割近くが非正規労働で、労働率は人口の半分なので正社員は国民の3割に過ぎません。
国民の7割は非正規か無職なので、低家賃住宅の需要は無限に存在しています。
多くの街には古いボロアパートがあると思いますが、今後日本ではまともなマンションや新築アパートの家賃を払えない人が増えます。
日本政府は「日本人の平均年収は500万」とか言っていますが、私が調べたところでは「250万円」でした。
日本政府は非正規や低賃金労働者を除く「まともな人」だけを調査しているので、現実とかけ離れた数字になります。
無職や子供を含む日本人全員の平均収入は、一部の富裕層を除外すると150万円以下です。
老後2000万円問題がありましたが、老後に2000万円の貯蓄があるのは富裕層で、多くの高齢者は何も持っていません。
そうした平均以下の人々が住めるのは低家賃住宅だけで、今その充実が求められています。
新たな低家賃住宅を建てられないし、古い団地を放置すると廃墟になるのでリノベーションが進められています