過去100年の目まぐるしい変化
多くの人は昔VHSでビデオを見たことがあり、その後DVDに変わったと思います。
最近はDVDの出番も少なくなり、録画や保存はハードディスクやスティック型のメモリに変わっている。
それすら必要なくなりネット配信で月額1000円くらいで映画も音楽も見放題、効き放題になっています。
技術の栄華盛衰は目まぐるしくきのうは最新だった技術が古いとされていたりする。
だが消費者の選択基準はいつの時代も「値段」と「自由」だったとされています。
100年ほど前は音楽や映像を記録する方法はなく、ようやく写真が普及したが写真館やプロカメラマンだけが所有していた。
エジソンが 1877年に円筒型録音装置を発明し、戦前は円盤型レコード、戦後は塩化ビニール製レコード盤が普及した。
それまでプロの音楽を聴くには自分が演奏会場に出かけるしかなく、レコードは高価だとしてもそれよりずっと安かった。
戦後の高度成長期になると日本でも個人でレコード盤や再生機を買えるようになり、やっと日本にも音楽市場が生まれた。
カセットテープは1960年代に普及しラジオ録音と併用することで自由に音楽を収集でき、70年代にラジカセが大ブームになった。
さらにウォークマンが全世界で大ヒットしたが、iPodのようなメモリーデバイス登場で突然死んだ技術になった。
カセットはレコード盤より安価だが音質は劣り、愛好家の収集品としても生き残れなかった。
メディア媒体の移り変わり
録画装置はアメリカでは1950年代から存在したが、医療や航空など技術開発が目的で家でテレビを録画するには向かなかった。
ソニーは1965年に19万8000円という当時としては破壊的な低価格ビデオを発売し、結構売れたそうです。
1975年にソニーのベータマックス(22万9800円)、1976年にビクターのVHS(25万6000円)が発売され最初はベータの方が売れた。
だが1977年にVHSが2倍録画、3倍録画機能を搭載すると決着がつき、全世界でVHSが売れまくりベータは敗北した。
理由は単純に値段であり、同じ値段のビデオテープを買ってVHSは2倍か3倍録画できた。
ソニーは高画質やコンパクトさを売りにしたが、誰にも理解されなかった。
DVDは1996年に市販されたが2000年にゲーム機のPS2がDVD搭載で発売され、1億5000万台以上売れた。
DVDやCDの円盤メディアはテープより高画質だが欠点があり、著作権保護のために自由に録画や録音ができず、このためVHSやカセットテープの代わりにはならない。
テープでは爪を折ると書き込みできなくなるが、セロテープを貼ればまた使えたりした。
消費者が求めた「大容量、低価格、自由」を無視したブルーレイ
2005年頃からハードディスクの低価格化が進み2010年ごろにはHDDに録画や録音するほうが安くなった。
HDDはDVDやCDのような書き込み禁止は無く、動画や音楽自体にコピーガードがなければカセットテープのようにコピーできた。
だがその時代も10年も続かず、USBメモリーやSDカード、SSDが低価格化し大容量になった。
現在では200Gや500GといったHDD並みの大容量を持つ製品が1万円以下で売られている。
たとえばサムスンやサンディスク、バッファローの外部SSDは1T(テラ)1万5000円以下でアマゾンで売られている。
1Tは100Gの10倍なので4GのDVD250枚分を録画でき、MP4などに変換すると1000枚やもっと録画できる。
ハードディスクはSSDより安いが転送に時間がかかるので、時間効率を考えるともうSSDのほうが安い。
今後あらゆる記憶メディアはSSDやメモリーに変わるが、おそらくもっと低価格な装置が開発され技術交代する。
技術は目まぐるしく変わったが、消費者が求めたのは結局は値段で、大容量で安くて自由なほうを買っています
ブルーレイディスクが開発された時、山ほどコピーガードを搭載したが「売る気がありませんよ」と言ってるようなものでした。
ブルーレイは高価で不自由で容量が限られているので、売れる筈がありませんでした
ネット配信は安くて良いがこれほど不自由なものは無く、人々は音楽や動画を所有したり複製したいと考えています。
これを無視すればネット配信はブルーレイのように滅亡するし、人々は何らかの抜け道を見つけるでしょう