バイデン政権はEVインフラに20兆円投資すると発表した、EV競争は20兆・30兆の世界になっている。
この金を用意できなければ日本は自動車先進国から転げ落ちる
画像引用:https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210519/mcb2105190849010-n1.htm 米、EV普及加速へ バイデン大統領「中国には勝たせない」 – SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
ダイムラーEV化に年5000億円10年間投資
ドイツのダイムラー社はEV化で2030年までに400億ユーロ(470億ドル)超を投資する計画を発表した。
他社と協力し8カ所の電池工場を建設、2025年以降新規生産者はすべてEVとする。
ダイムラーの高級車であるメルセデスは2026年にPHVを含むガソリン車技術への投資が80%減少すると予想している。
ダイムラーは2025年までにPHVを含むEV比率を50%までに引き上げるが、ガソリン車廃止の時期は示さなかった。
EU欧州員会は先日、2035年にEUでのガソリン新車販売を、PHVを含めて全面禁止すると発表した。
まだ正式な決議をしていないが、ドイツが主導権を握りフランスは自国製品を優遇したがっている。
VWグループは2035年までに、EVを含む次世代技術に730億ユーロ(約9兆5000億円)を投資すると発表した。
BMWは2025年までに300億ユーロをEVに投資、ルノーは2030年に新車の9割をEV化すると発表している。
これらは別に環境の為ではなく、今後EUではEV以外の新車を販売できなくなる
20年のEUの新車販売に占めるEV比率は約7%、純EVが55%ほどを締めPHVよりも多い。
EVに限った販売台数は2.1倍の72万台、、PHVは3.1倍の60万台(シェア6%)だった。(欧州自動車工業会)
EVとPHVの合計は前年比2.4倍の133万台、新車販売に占めるシェアは12%で前年比9%も上昇した
EV開発は最低10兆円かかる
欧州では2020年代の排ガス燃費規制で、ガソリンのみで駆動する新車が事実上禁止される。
続いて2030年代の排ガス燃費規制ではゼロエミッション、つまり排ガスをゼロにしなくてはならない。
これだとPHVやHVはクリアできないので、プリウスなども欧州で販売禁止になる。
裏を返すとEV化を進めた欧州メーカーは欧州市場を独占でき、域外の自動車メーカーは排除される。
日本メーカーは日本やアジアの規制、アメリカメーカーは米政府の規制を重視するので、欧州メーカーが有利になる。
こうして日米の自動車メーカーはEUから排除され、ドイツ御三家やフランスやイタリア系が利益を得る。
1990年代にVHSや家電を巡って起きた保護貿易の繰り返しで、欧州は安全性などを盾にとって規制を張り巡らし日本製品を排除した。
今回も真の狙いはEUの自動車メーカーを保護することで、事実上の保護貿易措置と見ている。
国連WTOでは保護貿易を禁止しているが「地球のため」であれば公然と行える。
トヨタの将来プランでは2030年にEV200万台、HV600万台の計800万台としている。
トヨタなど日本の6大メーカーのEVなどへの投資は2020年約2.8兆円で、ドイツ3メーカーを上回っている。
しかし欧州全メーカーではおそらく日本の全メーカーを上回っているでしょう。
アメリカはテスラやGMが大規模投資するほか、バイデン政権はEVインフラに約20兆円支出するとしている。
こうなるとEV開発は「最低でも10兆円」が必要な世界になり、その金を用意できない国は敗者になる。
中国はまた「EV覇権を握りEV強国になる」と10兆円単位でホイホイお金を使っています。
こうした時代を経て日本が自動車先進国に留まれるかは不透明です。