スイスがF35を「最も安い」と購入
最近スイスは次期戦闘機をF35Aに決め、比較した戦闘機の中で最も安かったと説明しました。
公表した資料によると36機のF-35Aは約50億スイスフラン(約6080億円)、30年運用の総費用は約155億スイスフラン(約1兆8500億円)だった。
2番目に安い候補機種より20億スイスフラン(約2400億円)も安かった。
他の候補は仏ダッソー・ラファール、ユーロファイター、F/A-18Eスーパーホーネットの3機種だった。
F35A以外の3機はどれも旧世代機でステルス性は低いが、なおかつ費用も高い事になる。
おそらく機体購入費用ではF35Aが最も高いが、維持費用やアップグレード費用が安い。
戦闘機を30年運用するとエンジンを含むあらゆる部品を1度は交換し、アップグレード(性能向上)も不可欠になる。
F35Aは今後10年程度米軍向けに生産し、数十年間米軍で使用するので膨大な部品のストックがある。
対するF/A-18Eスーパーホーネットは米軍向けにはもう生産しておらず、他も生産数が少数です。
大量生産の法則によって最も数多く生産されるF35Aが最も安く、次世代機なので最も性能も良くなる。
日本がF35を導入する過程で「あっちの方が安い」「高いものを買わされた」と批判されました。
だが戦闘機や防衛装備は安くて劣った物を買う事に意味はなく、世界最強であるか無いかが重要です。
2番目の戦闘機に意味はない
1941年の時点で日本の零式戦と隼が世界最強、特に零式戦闘機は他国の戦闘機を寄せ付けず圧勝した。
だがF4Uコルセアが登場すると常に圧勝とはいかなくなり、F6Fヘルキャットの登場で劣勢になった。
大戦末期にP-51マスタングが登場すると、ゲームセンターの的のように零式戦は撃ち落とされるようになった。
どちらが一番強いのかを競っているので2番目だったら撃ち落とされてしまい、安かろうがまるで意味が無い。
1981年にF-15Jという戦闘機が自衛隊に配備されたが、初期型の調達コストは1機125億円で当時としては信じられないほど高額だった。
アメリカ空軍はF15を1機25億円ほどで買っていて、日本は自国で生産するので5倍の値段で購入した。
当時F15は全てを超越した最強の戦闘機で、ソ連の最新鋭機もF15にはまったくかなわなかった。
日本が100機のF15を持てばソ連の数百基のミグを防止でき、値段がいくらでも買う価値があった。
逆にF15より安いF4戦闘機はベトナムでソ連機にかなり負けており、これではソ連軍を防止できない。
もし本当に世界最強の戦闘機が存在し、金を払えば買えるのなら1機1000憶円でも買う価値がある。
現代の空戦はミサイルやドローン、無人機の時代になっていて、戦闘機は必ずしも万能ではない。
だが両軍が最初に接触するのは戦闘機同士であり、初戦で勝った方が戦いを優勢に進められる。
逆に日本の戦闘機がロシアや中国より劣ったら、尖閣どころか大阪や東京上空を中国軍機が飛び回ることになる。