サムスンが16か国で中国企業に1位を奪われた
韓国メディアの中央日報によるとサムスン製スマホのシェアが16か国で1位から陥落した。
香港の市場調査会社カウンターポイント・リサーチによると、サムスンは21年4月から6月に57カ国でシェア1位だった。
16か国でサムスンを上回ったのはいずれも中国製スマホで、シャオミ、OPPO、Vivo、ファーウェイなど7社だった。
サムスンが1位でなくなったのはインドネシアやマレーシア、タイ、シンガポール、香港、バングラデシュ、ネパール、ナイジェリア、ケニア、アルジェリア、エジプト、カタール、ドイツ、フランス、オーストラリア、ウズベキスタンだった。
欧州の先進国からアフリカや東南アジアも含まれていて、販売数が少ない「例外国家」でシェアを奪われたわけではない。
日本ではまったく人気が無いが、サムスン製スマホは2011年から10年間世界シェア1位を守っている。
それまでの1位は携帯電話のノキアだったので、意外な事にiPhoneが世界1位だった年はなかった。
収益性では逆にiPhoneを持つアップルの独走で、特に自社製アプリが莫大な収益をもたらしている。
スマホ収益の9割以上は搭載するアプリへの課金とされているが、サムスンのスマホに搭載されるアプリはグーグル製が多い。
サムスンは工業製品としてのスマホ製造で世界一だが、その収益のほとんどはアップルやグーグルが得ている。
日本がスマホに弱いのは結局これが原因で、仮にソニーが世界一のスマホを作っても収益が無いから赤字になります。
日本企業は(ゲーム以外)OSやアプリに弱いので、課金収益はすべて外国企業に持ち去られてしまう。
サムスンのスマホ事業はお荷物化する
中国勢は一時ファーウェイがサムスンを抜くのが確実だったが、トランプ政権のファーウェイ叩きで世界では売れなくなった。
今後ファーウェイは独自OSスマホを販売するが、グーグルOSを使えないので先進国市場では売れない。
変わって躍進したのはシャオミ、OPPO、Vivoなどで、異なるスマホ企業がそれぞれ独自のスマホを販売している。
サムスンは2020年に2位転落すると思われたが、ファーウェイ騒動の恩恵で延命された。
コロナの世界的拡大でさらに恩恵を受け、なんとか世界1位を守っているのが現状です。
コロナが終息しライバル企業が攻勢に出たら、1位どころか一瞬で「圏外」に落ちかねない。
過去の王者だったノキアやブラックベリー、日本のガラケーメーカーなどは今は跡形もなくなっている。
サムスンのスマホ事業は収益を挙げるのが難しくなっていて、スマホは主要事業ではなくなった。
今のサムスンを支えているのは半導体事業だけで、これはコロナで最大限の恩恵を受けて儲かっている。
だが半導体不足もいつか解消され中国勢がもの凄い勢いで伸びるので、半導体の王者からも転落する可能性がある。