外国人観光客が3000万人来日しても、日本のGDPは1円も増えなかった
輸出、海外投資、観光業はダメな理由
日本は2021年も22年も不況が確実視されているが、こうなったのはコロナのせいではない。
過去30年間日本はコロナと関係なく不況だったが、同じ期間に他の先進国は好景気だった。
日本政府がこの数年間重視したのは観光、輸出、対外投資や融資だが、どれも国力を衰退させる。
これら「外貨を稼ぐ系」は後進国や新興国では成立するが、先進国がやったら経済を衰退させます。
まず輸出ですが輸出はその国の労働賃金が低いほど、その国の発展が遅れているほど、法律が未整備なほど有利です。
後進国では道路がなければ作ればいいが、日本のような先進国で何か作ろうとすると1兆円とか10兆円が必要になる。
例えば中国は世界最大のレアアース輸出国ですが、実はレアアースは希少ではなく多くの国で採れる。
だが採掘で大量の汚染物質が周辺にばら撒かれるため、環境対策で膨大な金がかかり赤字になります。
中国では川が青や赤になっても平気だし、住民に健康被害が出ても平気なので、低コストで輸出できる。
日本の輸出産業を壊滅させた中国や韓国は、以前は労働基準法もなく国策で輸出企業を優遇していた。
日本がそういう国と対抗して輸出で勝つためには、労働者の賃金を中国や韓国以下にしなくてはならない。
着々とそんな風になっていて、日本の労働者の賃金は30年間下がり続けています。
日本に居ながら外国に出稼ぎする観光業
次は海外投資や海外援助のように外国に投資して儲けるような商売だが、これも国力を衰退させる。
日本の経常収支は年間20兆円もの大幅黒字で、投資した金額よりずっと多くの外貨を受け取っています。
では儲かってるから良いんじゃないかと思えるが、例えば日本が10兆円を韓国に投資して11兆円返してもらったとする。
韓国はその10兆円で工場を建てまくって日本企業を倒産に追い込み、日本は金利1兆円を得る。
こんな事が現実に行われていて、日本が外国に援助や投資した金は、日本を倒すために使われた。
投資したのが”親日国”でも同じ事で、発展し成長するのは相手国だけで、日本は無意味な1兆円を受け取る。
受け取った1兆円は労働者や国民に1円もわたることが無く、大半はまた外国に再投資している。
日本の輸出企業は毎年膨大な海外利益を上げているが、その金が日本人や日本政府に渡ることは無い。
3つ目が観光で、日本政府は特に安倍政権で外国人観光客を重視し一時は3000万人に達した。
だが不思議なことに外国人観光客が何千万人になっても、日本の経済成長率は1%前後のままでした。
日本政府は「外国人観光で農大な利益を得ている」と説明したが、gdpにはそれが一切現れませんでした。
このカラクリは輸出と同じで、日本の観光業者は外国人の為に働き、日本のために働いていません。
極論すれば観光業の労働者は日本から中国や欧米に”出稼ぎ”しているようなもので、体が日本にあるだけです。
日本国内で労働していながら彼らの労働力は外国人へのサービスで使われるので、労働力が流出していると言えます。
残念ながら外国人観光客がたとえ年間1億人に達しても、日本の成長率は増えないでしょう。
観光業も後進国では有効で、アメリカのように高値を吹っ掛けるなら国としての利益を得られる。
アメリカは貿易赤字で経常赤字なので、外貨を稼ぐこと自体に意味があり、国策になっている。
日本は膨大な経常黒字を貯め込んでいるので観光で外貨を稼ぐ意味は何もなく、経済成長に貢献しません。
日本が経済成長するには日本国内に投資し、日本人が消費し、日本国内で働く事でしか増えません。