ドイツと欧州はロシアの天然ガスに依存する事になり、今後ロシアに逆らえなくなる
ロシアに生命線を握られたドイツ
日本のメディアはことあるごとに欧州を見習え、ドイツを見習えと言ってきたが、欧州はエネルギー政策で見事に失敗した。
ドイツのメルケル政権は太陽光や風力を推し進め、原発を敵視していました。
そのドイツが実際にはまだ石炭発電に依存し、ロシアからパイプラインを引いて天然ガス発電を増やそうとしている。
ドイツは反原発や反火力を推し進め自然エネルギーを推進したが、結局エネルギーは足りないので天然ガスを増やすことにした。
石炭に較べて天然ガスはCO2排出量が少ないが、国内で採れないのでロシアからパイプラインを引く。
つまりドイツのエネルギー政策は今後ロシアが決定権を握ることになり、プーチンがニヤリと笑う。
ドイツのエネルギーのうち約45%が自然エネルギーで、そのほとんどを太陽光と風力が占めている。
仮に自然エネルギー100%にしても、電気は備蓄できないので捨てるしかない。
昼間の太陽で発電しても夜や曇りの時に使えないし、良い風が吹いたときの電気を取っておく事も出来ない。
自然エネルギーは今後も増えるでしょうが、総電力の何割かは「天気に左右されない方法」で発電する必要があります。
メルケルは原発ゼロと言ってしまったので残るのは火力発電のみ、それもロシア産の天然ガスのみになる。
これだと天候不順などで天然ガスに依存する時、「見返り」にロシアから条件を突きつけられても拒否できません。
理想主義でエネルギー転換はできなかった
例えば対ロ経済制裁からドイツが抜けるとか、EUがロシア制裁解除するなどです。
実際EUはアメリカから「EUは対ロ制裁をさぼっている」と苦情を言われています。
例えば日本が韓国や中国から天然ガスを輸入し、ガスを止められたら経済破綻する状況を考えてみる。
日本の首相は韓国や中国に絶対逆らえなくなり、イエスマンになる他ありません。
EUはドイツが主導して自然エネルギー比率増を義務化したが、結果として欧州のすべての国はロシア産天然ガスを買うしかなくなった。
他の選択肢は原発しかなく、フランスですら原発を減らそうとしている。
結局欧州は原発廃止や自然エネルギー推進のために「ロシアによるエネルギー支配」を受け入れるしかなくなった。
日本がエネルギーミックスしなくてはならない理由がここにあり、自然エネルギーだけで自給自足はできない。
もしロシアや中国からパイプラインなど引いたら相手国の言いなりになり、「ガスを止められたくなければ謝罪して金払え」と平気で言ってくるでしょう。