
エアコンのテスラ、ダイキン
2010年台の統計ではエアコンの世界シェア上位は中国メーカーが独占し、まさに中国の時代でした。
だが2018年の売り上げ1位はダイキン工業、4位に米キャリア、5位も米ヨーク、6位も米トレインだった。
最新(2020年)の世界ランキングは1位ダイキン、2位以下は中国勢、7位三菱、8位パナソニックとなっている。
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目を引くのはやはりダイキンで、10年ほどで圏外から世界首位メーカーになった。
これは人口が多い中国とインドで一定シェアを確保し、欧米先進国で高く評価されたためです。
中国市場では中国メーカーがシェア9割を握っていて、外国勢はほぼ参入できない状態です。
ダイキンも中国で生産し中国で売っているが、自動車と同じで生産コストは現地企業より高くなる。
中国では「空調のベンツ」と呼ばれ、高性能で高級な、豊かな人が買う位置づけになっている。
中国の富裕層の家では、来客に見えるように居間にダイキンを設置しているという
聞いてみれば簡単そうだが三菱電機やパナソニックは中国であまり成功していません。
2000年代の中国では既にエアコンが普及しつつあり、1台1万円というトンデモない値段で売られていた。
ダイキンは中国に最新鋭の高性能機を投入し、思い切って富裕層だけに狙いを絞って成功した。
欧米でも支持を得る日本式エアコン
エアコンは大きく分けてアメリカ式と日本式があり、アメリカは家一軒をセントラル空調で冷暖房します。
エアコンは家を建てる時に組み込むもので、基本的に後付けはできず、やるとしても大きな工事になる。
アメリカのエアコンは小型システムでは効率が悪く、アメリカ人は音を気にしないので煩いと言われている。
次は日本式で日本家屋に後付けするため、一つの部屋に1台のエアコンと1台の室外機を外付けする。
既に完成した古い家でも、取り付け場所にダクトの穴を空ければ設置でき、室外機も外の壁に取り付けれる。
比較的低コストなので中国は「日本式」で、ビルの壁に室外機がずらりと並ぶ光景は壮観です。
欧州は気温が低いのでエアコンが普及しなかったが、地球温暖化でフランスでも40度を超えるようになった。
すると石やレンガの古い建物にエアコンを後付けする必要があり、日本式エアコンの出番になった。
通常の日本式は壁に穴を空ける必要があるが、窓用エアコンならその必要もない。
窓用エアコンは効率が劣り音も大きいが、欧州で冷房が必要な期間は短いので、それでも問題ない。
1か月間生き延びるために、家の中の一部屋だけ冷やしたいというのが、多くのフランス人の希望です。
特に夏の死者が多かったのは家にいる高齢者で、高齢者の部屋に設置する事が多い。
アメリカはセントラル方式だが、貧富の差が拡大しエアコン無しの家に住む人が増えている。
するとエアコンを後付けする必要が生じ、ここでも日本式エアコンの需要が高まっている。
企業用でもビル一棟丸ごと冷やすのは金が掛かるので、人が使う部屋だけ冷やす需要が増えている
このように日本企業が得意とするエアコンで追い風が吹いているが、外国勢も負けじと技術を磨いている