中国から見た北朝鮮恵山、家々から練炭の煙
画像引用:https://globe.asahi.com/article/14321453 中国から望遠レンズでとらえた北朝鮮の素顔 リアルな市民の暮らしが見える:朝日新聞GLOBE+
北朝鮮は暖房でも階級で差
朝鮮半島は日本より北にあり、北朝鮮は韓国よりさらに北にあるので相当冷え込む。
首都の平壌でも厳冬期は最高気温がマイナス、山岳部はこれより10度も低くなります。
平壌の暖房は灯油やガスがあるが買えるのは一定以上の人のみ、平壌は上流階級の居住地と定められている。
地方に行くほど地位が下がり低収入になり、山間部の農村ともなると事実上の流刑地のようになっている。
北朝鮮では金正日時代に燃料不足で木を伐りつくしたので、ハゲ山が多い。
山から木や枝を持ち出すのは禁止されていて、監視員にワイロを払える人だけが薪を利用できる。
多くの人が利用しているのは練炭で、石炭や木炭と混合物だが日本で売られているより格段に品質が悪く煙が多く出る。
練炭は日本のAmazonでは400円か500円の単価で売られているが、北朝鮮では1個500ウォン(約7円)で売られている。
闇練炭は収入を得るために庶民が石炭を買って家庭で練炭を自家製造している。
一般家庭では一日に練炭10個を使うので、低品質な練炭でも月1000円、高品質な練炭ならもっと高い。
そのお金を払えない人は着火炭で、工場などで出た煤煙のカスにおが屑や泥を混ぜた粗悪な炭です。
1個7円の練炭を買えない人用なので、それよりかなり安いと考えられる。
これもまた工場などの煤を集めて自家製造している人がいるが、煙や一酸化炭素が発生し危険と言われている。
農村部ではこうした暖房も買えず、マイナス20度ほどでも暖房なしの人がかなり存在している
電気や暖房のない高層マンション
北朝鮮でも都市化を進めていて、平壌を中心にマンションを建設し都市住民を住まわせている。
北朝鮮では都市に住むのは身分や階級が高いのを意味し、高収入な職場に配属され配給でも恵まれている。
平壌には金正恩が住んでいて、最高指導者の近くに住むのは権力に近い証で、金正恩親衛隊と言える。
この親衛隊の忠誠心を高めるために定期的に特別配給をするが、以前は無料でもらえたが今は有料が多い。
経済制裁後は「贈り物」なのに市価と同じ値段になり、配給なので強制的に買い取らされる。
政府の財政が悪化し市民への配給で料金を取るようになってしまっている。
平壌のマンションに住むのは一流市民の証だが、なぜか暖房は練炭のままになっている。
エアコンなど夢のまた夢で電気が止まるかも知れないので電気ストーブもだめ。
そこで練炭の出番になり、室内で練炭を燃やして暖を取っている。
だが酸欠で事故が多発するので、換気見回り隊が巡回して、窓や戸を開けるよう指示している。
マンションではエレベーターや水道など電気が不可欠だが、その電気が止まるので下で水を汲んだり階段を歩くことがしばしばある。
ちょっとユーモラスだがあまり住みたくはない冬の北朝鮮です