考えたらわかりますが「低価格高品質」がずっと続くのはあり得ません
安い、うまい、早いは失敗しやすい
牛丼の宣伝で「安い、うまい、早い」がありましたが、実行した人は大抵失敗していたと思います。
高度成長期の日本は世界一安く世界一高品質で、だから日本の産業は無敵であるという意見が多かった。
現実の世界では「安く高品質で高性能」が成立しないのは、なんとなく想像ができます。
日本がまだ成長過程で日本人の人件費が安く、なおかつ産業や技術が高度だったので、一時的に高品質で安かっただけでした。
日本の後に韓国がそういう状態になり、最近は「中国製品は安いのに高品質になった」と言われています。
サムスンやLGは今ではベトナムなどで生産していて、それでも中国製品より高く品質は日米より低いので、あまり売れなくなっています。
予想では中国製品も今が品質と低価格の両立でピークで、「高品質で安い」状況は終わるでしょう。
個人でも同じ事が言え、個人店で「うまくて安い」店は長続きせず、安くて不味いかうまくて高いのどちらかです。
安くて高品質や安くて高性能、安くてうまい店は結局無理があり、やがて破綻します。
安い店には安さを求める客が定着し、もっと安くするよう圧力を受けます。
10円でも値上げすると「おい、いい気になってるんじゃないぞ」などと言われるのがオチです。
安さと美味しさを両立するにはチェーン店にする必要があり、個人が1人でやるのは無理です。
「安くて高品質」が失敗する理由
日本でもネットを中心に個人事業や起業する人が増え、フリーランスなどと言われています。
こうした自営で一度値下げしたり、無償で請け負ってしまうと、たとえは悪いが腐った食べ物に虫がたかるような状況になる。
良くあるのは企業が個人に「最初は無償だけど後で儲かるようになる」と言って無料で何かをやらせようとする。
そんな会社の仕事を引き受けて利益が出る事は100%無いと断言できます。
牛丼の価格競争では一時は1杯200円台の値下げ競争になり、わずかな値上げで非難を浴び客離れが起きました。
一方でスターバックスは不味いコーヒーを1杯450円とかで販売し、値上げしても誰も気にしません。
スタバは最初から「コーヒーに400円払う客」だけを相手にしているが、牛丼屋は安い早いうまいを売りにしたからです。
コーヒーに400円払わせる仕組みは快適な店内や従業員のサービスで、コーヒー豆そのものは最低品質で酸化しきった最低のものです。
個人店で450円も出せば挽きたての最高品質のコーヒーを飲めるが、人々はスタバを選びます。
最低のまずいコーヒーを飲ませて客は喜んで450円を払うので、スタバは世界一のコーヒーチェーンです。
日本人や日本企業はどうしてもこれができず、「世界一になるために世界最高の物を作る」という発想になります。
例えばイタリアやフランスの超高級ブランド品は、値段のほとんどはデザイン料や権利で、バッグや服の品質は優れては居ません。
ウイグル族が最低賃金で作ったりしているものを、富裕層は数十万円で買っています。
低コスト高品質を追及すればするほど、日本企業は苦しくなり、ブラック労働を強いるようになります。