不動産会社は国の代わりに資金調達し、投資家はそれを国債だと思っていた
画像引用:https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2021/024566.html 独自入手 中国・恒大集団の投資家向け説明会で怒号飛び交う<WBS>|テレ東プラス
中国崩壊は数十年の大河ドラマ
2008年北京五輪のころから中国崩壊論がブームで、当時はソ連崩壊のように一瞬で崩壊すると考える人が多かった。
だが中国はその後も成長を続け、GDPは水増しを計算に入れても約2倍になり、まだ中国は崩壊していません。
2008年までの中国は自律的に勝手に経済成長していたが、リーマンショック後は政府の公共投資で成長した。
地方政府が国有地を払い下げて不動産業者が開発して売り出し、それを政府が金を貸して投資家が買い取った。
中国政府は不動産価格が下がらないよう資金供給し、不動産の値上がり分はそっくりGDPに加算された。
ざっくり言うと10年間でマンションや土地が2倍になったら、中国全体のGDPも2倍近く上昇しました。
だがこの経済モデルには欠点もあり、毎年地価を値上がりさせるのに数百兆円も借金を増やした。
中国は新規鉄道建設だけで年間50兆円以上使い、建設費を除いた鉄道債務だけで100兆円を超えています。
これに鉄道建設費を加えると優に200兆円以上、道路でも空港でも発電所でもこのパターンは繰り返されました。
中国の不動産やインフラ関連企業のほとんどは国有企業と国営企業、その傘下の企業群です。
中国政府はほとんど国債を発行しないが、こうした「民間企業」に借金をさせて公共事業の費用を捻出している。
例えばアメリカでは「民間道路会社」が借金をして道路を作るが、あんなのは道路公団と同じで民間を偽装した国の借金に過ぎません。
中国は世界最悪の財政
中国の公的債務は少なく見てもGDP比200%の2500兆円、多ければ300%以上の4000兆円は存在しています。
最近IMFとか世界銀行は「日本の公的債務は世界最悪のGDP比200%」と言わなくなりましたが、その理由は中国とアメリカの方が多いからです。
アメリカも債務の民営化とか適当な事を言って、本当は政府債務なのに民間債務を偽装しています。
しかも中国はGDP水増しが指摘されているので、水増しした分本当のGDP比債務はさらに多いのです。
あまりにもひど過ぎるのでIMFや世界銀行はパニックを恐れて何も言わなくなったというのが現在の状況です。
2008年に自律的成長が終わった中国だが、このように債務を増やす事で経済成長を続けました。
その仕組みは公的資金を投入した不動産価格つり上げだったが、その仕組みが破綻しようとしています。
大手不動産企業恒大の経営破綻に続いて、奥園集団がデフォルトし、碧桂園も経営破綻が伝えられています。
黒竜江省の鶴崗市が事実上の財政破綻し中央政府に救済を求め、支出の縮小計画を発表した。
中央政府や地方政府は恒大のような不動産会社に資金調達させていて、事実上の国債や地方債も発行していました。
投資家は「国が後ろ盾だから絶対安心だ」と思って不動産会社の社債を「国債」として買っていました。
不動産を売り出して値上がりによってGDPを増やす手法は今後使えなくなり、次はどうするのか見ものです。
中国の破綻は一瞬にしてではなく、悪あがきしながら長期間かけて続きます