電力と鉄道は恒常的な赤字
中国では今ままで拡大してきた事業の多くが赤字に転じたり、元々赤字だったのが発覚したりしています。
最近発覚して衝撃を与えているのは国有電力会社、国家電網の巨額赤字でした。
2020年は国家電網の電力事業における赤字額は178億元(約3220億円)にのぼった。
赤字の原因として挙げられているのは1番目が家庭用電気料金の安さ、2番目は僻地に赤字で電力を供給している点でした。
中国の家庭用電気料金は1KW10円程度で、日本の1KW約28円程度より大幅に安い。
だが中国の平均所得は日本の1/5程度なので、おそらく庶民にとってそう安くないでしょう。
最近の中国のインフラ工事は日本とそう変わらず、高速鉄道は距離あたりで日本の半分以上とされている。
だが1路線の距離が日本の2倍以上は有るので、結局高速鉄道建設費用は日本より高い。
電力網を敷くのもそうで、単価が多少安いとしても人口は10倍で面積は25倍なので、結局設備費や運用費は日本より高いのです。
中国は人口過疎の辺鄙な地域にも電力網を整備し、それどころか高速鉄道や空港まであらゆる地域に建設している。
過疎地域の事業は採算が取れないのですべて赤字になり、中国の国営事業赤字の原因になっている。
高速鉄道を度々自慢するが、建設費込みで黒字路線はひとつもなく、ドル箱の上海北京線も赤字です。
あれも赤字これも赤字
最近巨額赤字を出しているのは不動産事業で、恒大は20兆円以上の債務を抱え、他の大手も赤字が表面化している。
中国の大手不動産は地方政府に代わって資金調達もしていて、実態としては地方政府の公的赤字です。
法律で地方政府は不動産投資の為の債権発行を禁じられているので、大手不動産を隠れ蓑にしていた。
世界最大のタンカーを所有する中遠海運能源運輸が、年間900億円程度の赤字に陥ったと報道されている。
養豚大手の新希望六和は1500億円の赤字、家電小売大手の蘇寧易購集団は6000憶円の赤字が見込まれている。
不動産開発大手の華夏幸福基業股フェンは4000億円の赤字、これでもかと今まで好調に見えた分野が赤字になっている。
北京冬季五輪には数兆円を掛けた筈だが、これは最初から採算度外視でやっています。
中国は軍事費20兆円以上、第二軍隊の公安部隊予算が30兆円以上、どちらも支出だけで採算性はない。
中国は有人宇宙船など宇宙事業に年間数兆円をかけているが、これも採算度外視です。
あれもこれも全て赤字で、いったいどうして国が成り立っているのか分からない