中国以外はHVの方が売れた
ニュースを見ると世の中はEV一色でEVが売れまくっている気がするが、数字を見るとそうでもない。
まずEV最大手のテスラの世界シェアは最初100%近かったが、その後低下し続けている
テスラの21年販売台数は約93万6000台、EV/PHVは約836万台なのでテスラのシェアは約11%でした。
全世界のあらゆる自動車メーカーがEV販売を予定しているので、テスラのシェアは早期に10%を割り込むでしょう。
もう一つの動きとしてトヨタのようなハイブリッド車も増えていて、2021年は約280万台が売れた
HVを発売しているのはトヨタ、ホンダ、軽のスズキ、ダイハツなど日本の数社に留まっている。
多くの国ではEV/PHVを新エネルギー車とし、ガソリン/HVをガソリン車と区別している。
新エネ車は税制で優遇されるほか、2040年頃までにガソリンだけで走行する車を禁止する国が多い。
ここでHVの将来性が疑問視されるが充電できるようにすればPHVになり、2040年代以降も販売できる。
日本は新車販売の半数をHVが占めているが、21年はアメリカでもHV販売が過去最高になった。
ハイブリッド車販売台数は76%増の80万1550台で、新車販売の5%を占めた。
EVは83%増加して43万4879台だったが、全体に占める割合は3%でHVより少なかった。
理想派のEV、現実派のHV
アメリカはガソリン価格が高騰して平均小売価格は1ガロン(約3.78リットル)当たり3.423ドルになった。
1リッター104円だが数年前は「日本の半分」の60円ほどが相場だったので、大幅に値上がりしている。
ガソリンが100円/Lになるのは日本ではおそらく「水が1000円」くらいの衝撃でしょう。
アメリカでもっとも売れた車種はV8・5リッター等のピックアップF150で、燃費は4km/Lから5km/Lだそうです。(日本での実燃費)
プリウスは20km/L前後、カムリHVは17km/L、普通のカムリは11km/L程度でアメリカのベストセラーセダンです。(日本での実燃費)
日本で17キロとか20キロ走ればアメリカではもっと燃費が良いので、数十万円の違いで走行距離が多ければお得になる。
同じ値段のガソリンを入れてプリウスはF150の4倍以上の距離を走れるので、実用性を買われて売れている。
欧州各国は2040年頃にガソリン車廃止を打ち出していて、EVが売れまくっていると報道されました。
実態はどうかというとロイターによると、21年の欧州HV販売は190万1239台で前年の約110万台から大幅増加した。
この数字はディーゼル車の190万1191台より多く、EVの87万8500台とPHEVの約86万7100台を合わせたより多かった。
つまり現実の欧州でHVがEV/PHVやディーゼル車より多く売れていて、少なくともEV独走ではない。
EVは長所があるが欠点もあり、その欠点を許せないと思う人はより現実的はHVを買っています。
世界全体でHVよりEVが売れたのは中国と北欧くらいだったようです